Point1.オフィス移転の予備知識
オフィス移転は企業にとって一大イベントです。当然、多額の費用がかかる上に、オフィス移転担当者には通常業務にプラスして移転業務の負荷がかかります。
ここでは、移転にかかる労力や費用を少しでも削減するために知っておきたい「居抜き」でのオフィス移転について紹介します。
▼「居抜き」は入居側と退去側のコストを削減する

退去する時、オフィスを元の状態に戻す「原状回復作業」が発生します。居抜きとは、この原状回復作業を行わずに、内装をそのまま残した状態で賃借や売買の契約を行うことを言います。
会議室などを仕切る壁、時には家具もそのままの状態で残っている場合があるので、新たに入る企業は「内装構築にかかる費用」を抑えることが可能です。
また、退去する側も「原状回復作業に掛かる費用」を抑えることができます。
▼原状回復費用の概算(退去側の発生費用)
〈30坪〉×〈4万円※〉=120万円
原状回復費用は、1坪あたり2〜6万円掛かると言われています。
※計算式は、旧オフィスが30坪、坪4万円とする
▼内装構築費用の概算(入居側の発生費用)
〈60坪〉×〈20万円※〉=1200万円
内装構築費用は、1坪あたり10〜30万円掛かると言われています。
※計算式は、60坪のオフィスに移転し、少し内装にこだわった時の金額20万円とする
最大の特徴は、すでに空間が完成されていること。特に、空間を仕切る壁や会議室を作るには多額の費用がかかるので、そこを省けると内装構築費の削減に繋がります。また、空間が完成されているとはいえ、壁の色を変えたり、デザインのアレンジは可能です。工事期間も省けるので新しいオフィスでの稼働を早めることもできます。
すでに空間が完成されているので、自分たちの思った通りのレイアウト……となると変更が難しいことも。事前に候補物件を下見した上で、契約を結ぶようにしましょう。
前の企業の内装をそのまま引き継ぐことになる居抜き物件は、内装や設備を所有する権利の問題があるため、必ずビルオーナーの承諾を得る必要があります。例え、退去する企業と入居する企業の間で合意が取れていても、ビルオーナーが「居抜きNG」と言えば、契約に至ることはありません。
居抜き情報も、居抜きで入れる物件数も少ないのが原状です。これには上記で説明したように「内装や設備を所有する権利」の問題が関わっています。
居抜きで入ったオフィスの壁が崩れて怪我をした…。
居抜きで入った企業が、経営難から夜逃げしてしまい、内装はそのまま…。
このような心配事を取り除くために、通常とは異なる契約書を作成したり、あらゆる最悪のパターンを考えて行動を起こさなければならないビルオーナーとしては、イレギュラーである居抜きより、通常通りの移転を望みます。そのため、世に出回る居抜き情報も自然と少なくなるのです。
手間や費用を考えると、やはり魅力的な居抜き。しかし、上記でも説明したように物件の数が少ない分、自分たちの引越しのタイミングと合わないことで、二重賃料が嵩む場合もあります。移転の際、居抜き移転だけにこだわりすぎると返って損する場合もあるのです。
ビルオーナー・退去者・入居者の三者の合意がないと成り立たない、若干ハードルの高い居抜きオフィス移転ですが、手間や費用を考えるとやはり魅力的ですよね。良いタイミングで良い物件に出会えることに越したことはありません。居抜き物件は「旬」モノなので、情報を配信している業者をフォローしたり、日頃からアンテナを張っておくことをおすすめします。

また、ヒトカラメディアでは居抜きに特化した物件サイト「スイッチオフィス」も運営しています。
居抜き物件にはどんなものがあるのか、気になる方はぜひチェックしてみてください。
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