オフィスビルマニア vol. 8 目黒アルコタワー

【目黒アルコタワー】大きな転機を迎える目黒のランドマークビル

木幡 大地


2026/5/29 公開

こんにちは。ヒトカラメディアの木幡です。私が独自の視点で注目するオフィスビルを毎回1棟ずつ取り上げているこの連載。今回は、目黒のランドマーク的存在「アルコタワー」です。

おしゃれな飲食店や目黒川の桜、庭園美術館など、生活や文化の色が濃い印象の目黒ですが、実際、目黒は渋谷や新宿のように大規模な高層オフィスビルが立ち並ぶエリアではなく、新築の超高層オフィスタワーはほとんど存在しません。なので、「目黒でオフィスを探したい」というお客様は一定数いるにもかかわらず、物件がそもそも少ないためにご案内できないケースがこれまで多くありました。

「アルコタワー」は、そんな目黒エリアで真っ先に名前の挙がるランドマーク的存在ですが、このビルが今回、数年ぶりに大口解約があり、さらには大規模なリニューアルが行われることになったんです。

”新築同等”の価値を発揮する大規模リニューアル

アルコタワーは1991年竣工の本棟と、1995年竣工のアネックス棟で構成されています。長年にわたりAmazon社が多くのスペースを占有していましたが、麻布台ヒルズへの移転が決定したことで、大量の空室が一気に市場へ放出されることになりました。目黒でまとまった面積を確保するのはかなり難しいため、このタイミングを逃すまいと、Amazon社の退去が明らかになった時点から、問い合わせが多数入っている状況です。
最小の区画は約80坪から用意されており、分割対応も可能なため、スタートアップから中堅企業まで幅広いニーズに応えられる点も人気の理由のひとつです。

このビルへの注目をさらに高めているのが、進行中の大規模リニューアルです。エントランスホールのプロジェクションマッピング導入、車寄せや共用ロビーの刷新、ラウンジの新設など、ビルの印象を大きく変える計画が動いています。
目黒には新築のタワーオフィスがなく、今後もなかなか建てるのが難しい環境にあるため、既存ビルがここまで本格的なリニューアルを行うことは”新築同等”の価値を持つと私は考えています。さらに、隣接するホテル棟も注目です。かつて『ホテル雅叙園東京』として知られていたホテルが、ヒルトンの高級ブランド「LXR ホテルズ&リゾーツ」としてリブランドされ、2027年の開業が予定されています。オフィスビルとしての価値だけでなく、エリア全体の格が一段引き上げられようとしているのです。

個性的な間取りと、2つの顔を持つ眺望

私がこのビルを”偏愛オフィスビル”として紹介したいもうひとつの理由が、その独特な平面形状と、そこから見える豊かな景色にあります。建物がR(アール)状の曲面を持ち、裏側にも区画が広がるという、かなり個性的な造りをしています。フロアの一方には目黒川が流れ、もう一方には雅叙園の庭園が広がっています。私は桜の時期に実際に見に行きましたが、窓越しに映る景色は圧巻の美しさでした。高層ビルの眺望と言えば広大な都市景観がスタンダードなので、アルコタワーのように緑と水辺の両方を感じられるオフィスは本当に希少だと思います。この”2つの顔”を活かしてどんなオフィスレイアウトにするか、それを考えるだけでも楽しいですよね。

Amazon社の退去と大規模リニューアルという2つの波が重なり、稀有なタイミングを迎えているアルコタワー。募集開始時からどんどん成約され、残りわずかになってきているので、目黒エリアでオフィス移転を検討されている方は、今がまさに動き時、決め時です!

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