

オフィスビルマニア
オフィスビルを「ただの箱」ではない視点で切り取る、オフィスビルマニアのレビューコラム。立地やスペックを超えて、建物の個性や背景、ささやかな違いから街と働く場の面白さを、ゆるく深掘りします。
2026/3/25 ダイバーシティ東京 オフィスタワー
vol. 6 【ダイバーシティ東京 オフィスタワー】 お台場は遊びに行くだけの街?先入観をくつがえす快適オフィスビル
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オフィスビルマニア vol. 6 ダイバーシティ東京 オフィスタワー
【ダイバーシティ東京 オフィスタワー】 お台場は遊びに行くだけの街?先入観をくつがえす快適オフィスビル

“オフィスビルマニア”と呼ばれている私が、毎回1つのビルを取り上げて、その特徴や魅力を語っていくこの連載。今回は、一般的には働く街としてのイメージがないお台場の「ダイバーシティ東京 オフィスタワー」をご紹介します。
「ダイバーシティ東京 オフィスタワー」の特徴は、なんといっても、有名なショッピングモール「ダイバーシティ東京 プラザ」と隣接している点にあります。
よくあるのは、一つのビルの中で低層階が商業施設、その上がオフィスになっているという構造ですが、このビルは違います。オフィス棟と商業施設棟がそれぞれ独立して建っていながら、連絡通路で直結しているのです。仕事の合間にショッピングを楽しんだり、ランチやディナーの選択肢に困ることもありません。こうした利便性は、ワーカーの満足度を大きく向上させる要素と言えます。
このビルのもう一つの魅力は、周辺環境の素晴らしさです。私のおすすめは、ビルのすぐ隣にある「シンボルプロムナード公園」で、ここは道も広く敷地には緑がたくさんあってとても開放感があります。天気の良い日には、少し外に出てリフレッシュするだけでも、新しいアイデアが生まれるかもしれませんね。

近くにテレビ局があるという土地柄、純粋なオフィスとしてだけでなく、スタジオとしての利用にも対応していて、実際入居テナントは、エンターテイメント系の制作会社などが多く、スタジオやラボとして活用しています。近年、自社で動画配信スタジオを持ちたいという企業が増えていますが、都心部でそのスペースを確保するのはコスト的にも容易ではありません。しかし、このビルであれば、都心へのアクセスを維持しつつ、広々としたスペースを確保し、スタジオなどの特殊な機能を持たせることも可能です。
実際に、スタートアップ企業のドクターズプライム株式会社は、浅草からこの「ダイバーシティ東京 オフィスタワー」へ本社を移転し、オフィス面積を一気に約10倍の700坪に拡張。配信スタジオやコワーキングスペースも開設しました。移転についての記事を読むと、このお台場というエリアが非常に気に入って移転を決められたそうです。コストメリットだけでなく、エリアの魅力が企業の成長を後押しするきっかけとなった好例ではないでしょうか。
心配されるアクセスですが、りんかい線の「東京テレポート」駅からは徒歩3分。その東京テレポート駅から渋谷駅までは約20分です。外出や外での商談の多い職種/企業には向かないですが、一度オフィスに来れば1日中快適に働ける環境が整っています。
また、このビルが位置する臨海副都心エリアは、条件を満たすことで東京都から移転時に最大5000万円の補助金が交付される制度の対象となっています(※東京都臨海副都心にぎわい・活力創出事業)。こうした行政のサポートも、特に成長フェーズにあるスタートアップやベンチャー企業にとっては大きなメリットになります。

最後に、ビルのスペックについてですが、基準階面積は約690坪と大規模なフロアです。平面は横長のコの字型をしており、室内に柱がほとんどないため、非常にレイアウトのしやすい、効率的な空間設計が可能です。特筆すべきは、その窓面の広さです。壁面のほとんどが窓になっているため、どの場所にいても明るく、開放的な眺望を楽しむことができます。前述の公園や、湾岸エリアならではの景色が執務室の中からでも感じられるというのは、このビル、この立地ならではですね。
休日は多くの人で賑わうお台場ですが、平日は意外と落ち着いた雰囲気です。”遊びに行く街”という先入観を一度捨てて、ビジネスの場として見てみてください。その印象はきっと大きく変わるはずです。