オフィスアイテムレビュー

ヒトカラメディアの空間プランナーが、いま推したい"オフィスアイテム"を紹介する連載コラム。オフィス家具や什器はもちろん、効率よく働ける便利グッズなど、各プランナーの偏愛たっぷりに、働きやすさと心地よさを高めるヒントもお届けしていきます。

オフィスアイテムレビュー vol. 4 フロアスタンド

共有ラウンジの課題を解決する、フロアスタンドの名品「アルコ」

半沢 広道


2026/7/17 公開

Flos Arco - ph. gionata xerra

オフィス空間にはいろいろな種類の照明がありますが、「フロアスタンドを置く」という発想はあまりないかもしれません。しかも、私が今回おすすめしたいイタリアの照明メーカー・フロス社が手がけるフロアスタンド『アルコ』は定価で約45万円ほど・・・。決して安くないのですが、この1台が空間にもたらす変化は、その価格以上のものだと感じています。

照明自体が光るのではなく、空間を光らせる

一般的なフロアスタンドは、傘があるあたりが光っていたり、円柱形の筒が光ったりするものが多いと思います。照明そのものが光源として存在している、というイメージです。

アルコはそれとはちょっと違います。大理石の塊のようなベースに長いアームが弧を描くように伸び、その先端からテーブルや床面を照らす構造になっているのですが、照明自体が光るというより、空間の一部をピンポイントで明るくできる照明になっています。それによって空間に"陰影"と"立体感"が生まれます。ほかのフロアスタンドを見てみても、こういう役割を果たせるものって実は少ないんです。しかも、照明自体がプロダクトとしても美しくて価値がある、となるとかなり限られてきます。

執務スペースとの"別世界感"

最近、オフィスのラウンジやリフレッシュスペースに力を入れる企業が増えているように感じていますが、オフィスチェアをそのまま置いたり、照明も執務エリアと同じままだったりすると、空間を作ったは良いけれど、執務スペースと何だか変わらない、気分が切り替わらない・・・という状態になりがちです。

そんな時に、天井の照明を少し落として、アルコだけでリフレッシュスペースのテーブルを照らすと、それだけで執務エリアとはまるで違う"別の空間"ができあがります。床材を変えたり、天井を色分けしたりといった大掛かりな工事をしなくても、照明ひとつで空間に大きな違いを生み出すことができる。これがアルコならではの強みであり魅力だと思っています。

改めて構造を見ると、アルコはとても潔い造りですよね。大理石のベースに、長いステンレスアームを取り付けただけのシンプルさ。余計なものが何もない。それでいて存在感は圧倒的です。リプロダクト品も多く出回っていますので、ぜひ一度実物を見ていただきたいと思います。そして、オフィス作りを考える時、照明の選び方ひとつで空間にもたらす作用や効果が変わることをぜひ体験してもらえたらと思っています。

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