


オフィスビルマニア
オフィスビルを「ただの箱」ではない視点で切り取る、オフィスビルマニアのレビューコラム。立地やスペックを超えて、建物の個性や背景、ささやかな違いから街と働く場の面白さを、ゆるく深掘りします。
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こんにちは。ヒトカラメディアの木幡です。この連載では、私が独自の視点で注目するオフィスビルを毎回一つ取り上げ、その魅力や可能性について深掘りしています。
今回は、今まさに大きく変貌を遂げようとしている池袋という街と、そこに誕生した新たなランドマーク「IT tower TOKYO」についてお話ししたいと思います。


皆さんは池袋と聞いて、どのようなイメージを持つでしょうか。以前は少し雑然とした印象があったかもしれませんが、近年は”住みたい町ランキング”の上位に毎年ランクインし、街は大きく変わろうとしています。そして、”オフィスを構える場所”や”働きたい街”としても注目を集めています。
その理由のひとつは、大規模な再開発です。池袋は今、街全体をあげて再開発に力を入れており、その未来像に大きな期待が寄せられています。たとえば南池袋公園は、駅からほど近い場所にありながら、美しい芝生が広がる開放的な空間へと生まれ変わりました。また、東口エリアは劇場やホールなどが集まるエンターテイメントに特化した開発地区として、「Hareza池袋」を中心に新たな文化の発信拠点となっています。
こうした再開発は、これまで主に東口エリアで進められてきましたが、その流れがいよいよ西口にも及んできました。その第一弾とも言えるのが、今回ご紹介する「IT tower TOKYO」なのです。

2026年3月14日に竣工したばかりの「IT tower TOKYO」は、かつて丸井があった池袋西口の交差点の一角に誕生しました。このビルが誕生したことで、雑多な飲み屋街のイメージがあった西口の雰囲気が急速に変わりはじめています。
「IT tower TOKYO」の最大の強みは、池袋駅直結という点です。雨の日でも濡れることなく、また、駅前の雑然としたエリアを通ることなく、快適にオフィスへアクセスできるのは大きなメリットです。東武百貨店、西武百貨店、ルミネ、パルコ、エチカなどの商業施設にも地下通路でつながっています。
ビルの低層階は商業施設となっており、CCCが展開するコワーキングスペース「SHARE LOUNGE」やビックカメラ、成城石井、ビオラルなどが入居しています。さらに、「SHARE LOUNGE」にはヘルシーなランチが楽しめる「コミュニティ食堂」が併設されており、会員以外も利用できるようです。7階から9階はさまざまなクリニックが入居するメディカルフロアとなっており、ビル全体でワーカーのウェルビーイングをサポートするような企画性が感じられます。

「IT tower TOKYO」はアクセスだけでなく空間も魅力的です。まず、天井高が3mと高く、非常に開放感があります。執務室は柱のないきれいな四角形で、レイアウトの自由度も抜群です。交差点に面しているため、どのフロアからも池袋の街並みを一望できる素晴らしい眺望が広がっていました。
また、駅直結の大型ビルと聞くと、非常に広大なフロアを想像しがちですが、「IT tower TOKYO」は1フロアが約290坪と、手頃なサイズ感であることもポイントです。このフロアは最大3分割(約100坪、100坪、70坪)が可能で、様々な規模の企業のニーズに応えることができます。
私のリサーチでは、このビルへの移転を検討している企業の約8割が、すでに池袋にオフィスを構えている企業だそうです。既存のビルからのグレードアップや、事業拡大に伴う拡張移転の受け皿として、大きな期待が寄せられていることが分かります。
駅直結という最高の利便性、オフィスへ行くのが楽しみになったり、心地よく働けるための企画性のある付帯施設や商業テナント、そして交差点に立つランドマーク性。これらを兼ね備えた「IT tower TOKYO」は、まさに池袋西口の新たな顔となる存在です。2043年に向けて進む西口全体の再開発計画の幕開けとして、このビルが池袋の未来を牽引していくことは間違いないと思います。