オフィスアイテムレビュー vol. 5 アップサイクル

使えて、語れて、循環もする。ITOKIの『Econifa UPCYCLE』 

小島 亮


2026/9/17 公開

オフィス移転の打ち合わせをしていると、「できれば環境に配慮した素材を使いたい」「サステナブルへの対応もしたくて」というご相談をいただく機会が増えました。でも、正直なところ、義務感だけで語られることも多く、いざ素材や製品を選ぼうとするときに、その必然性をうまく説明できない場面がありました。

先日行われた『オルガテック東京』(※オフィス家具やファシリティの国際見本市)で見ることのできたITOKIの『Econifa UPCYCLE(エコニファー アップサイクル)』は、そんな思いにストレートに応えてくれて、良い刺激ももらうことができました。

捨てるはずのものが、デザインになる

『Econifa UPCYCLE』は、製造過程で生まれる端材や未利用材を、溶解・再加工してオフィス家具や内装素材として生まれ変わらせるITOKIの取り組みです。これだけだと、いわゆる普通のアップサイクル製品なのですが、『Econifa UPCYCLE』がユニークなところは、素材を提供した企業へアップサイクルした製品を届け直す、という構造にあります。

廃棄にかかるコストが新しい価値となって戻ってくる。

「使えて、語れて、循環している」という一歩先まで踏み込んでいるところが、ただの環境活動とは違う、と感じました。

「居抜き物件」も、ある種のリサイクル!?

ここ最近、オフィス移転では居抜き物件を希望する企業がぐっと増えています。
居抜き物件の場合、自社のものをまた自社で使うわけではないので、『Econifa UPCYCLE』とは構造が少し異なりますが、”何がリサイクルできるか”を見つけて、それをアップデートさせていく視点って、居抜き物件のオフィスづくりにそのまま当てはまります。

また、リサイクルって必ずしも空間的/物質的なものだけでなく、前テナントの歴史やカルチャーもそのうちのひとつになり得るのではないかと最近思っていて、前テナントの企業カルチャーや働き方を積極的に知ろうとすることで、次テナントのオフィスづくりに生かせることが増えるんじゃないかと思っています。

ゼロから作ることが正解ではないし、過去を知って、次を想像する。その往復の中に空間づくりの面白さがある——『Econifa UPCYCLE』からは、そんなことを学びました。
『Econifa UPCYCLE』のようなスケールのリサイクルは今すぐには私たちには難しいかもしれませんが、”会社のカルチャーや歴史を次の空間に継承すること”は、私たちがこれからも大切にしたい視点のひとつです。

オフィスアイテムレビュー

ヒトカラメディアの空間プランナーが、いま推したい"オフィスアイテム"を紹介する連載コラム。オフィス家具や什器はもちろん、効率よく働ける便利グッズなど、各プランナーの偏愛たっぷりに、働きやすさと心地よさを高めるヒントもお届けしていきます。

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