

オフィス街探訪
この「オフィス街探訪」は、ヒトカラメディアの中でもオフィス物件の仲介やリーシング業などを担当する”オフィスのプロ”が、今おすすめしたいオフィス街をリレー方式で紹介していく連載企画です。
ヒトカラメディアは、下北沢にオフィスを構えて6年ほどになりますが、ここ数年で下北沢が”働く街”として大きく変化する様子を目の当たりにしてきました。今回は、オフィス街としての下北沢の現在地と、その魅力についてお話しさせていただきます。

多くの人にとって下北沢は、”オフィスエリア”のイメージはあまりなく、古着屋や個性的な店舗が集まり、”働く”というより、遊びに行く場所というイメージが今も昔も強いと思います。そんな下北沢ですが、オフィスエリアとしての評価を改めて考えたとき、まず、アクセスの良さはかなり評価が高いです。渋谷や新宿まで乗り換えなしで行けるのはもちろん、代々木上原で乗り換えれば千代田線を使って大手町方面にも楽にアクセスできます。実は都心の主要エリアとの行き来がしやすい立地なのです。
さらに、働く環境として見逃せないのが、ランチ事情です。都心5区と比べると飲食店の価格帯が割安で、選択肢も豊富です。こだわりのあるカレー店やラーメン店に加え、チェーン店も比較的揃っています。毎日のことだからこそ、この差は大きいですよね。
そんな下北沢ですが、実は、ここ数年で”働く街”としてハイスピードで変化してきました。大きな転機となったのは、やはり駅周辺の大規模な再開発です。駅の高架下も再整備され、複合施設『ミカン下北』が開業しました。この施設には個性的な飲食店を中心とした商業店舗だけでなく、コワーキングスペースとシェアオフィスで構成された「A街区」と、7つのセットアップオフィスを持つ「B街区」からなるワークプレイス『SYCL by KEIO』がオープンしました。また、「B街区」の隣にあるビッグベンビルにも同時期にセットアップオフィスが完成したことで、”働く街”としての下北沢の加速が一気に始まったように思います。


このことで分かったのは「下北沢にオフィスがあれば借りたかった」という潜在的なニーズを持つ人たちが、想像以上にたくさんいたということです。それまでは、そもそもオフィス物件が少なかったので、借りたくても借りられる物件がありませんでした。実際、『SYCL by KEIO』のB街区は、テナント募集が始まると竣工前にも関わらず8割ほど入居者が決まっていました。
しかし、現在もまだ需要に対して供給が追いついていない状況にあります。下北沢には商業店舗用の物件が多く、オフィスとして使える物件の母数がそもそも少ないということもあり、前述の「B街区」やビックベンビルでも、空きが出たらすぐに借りたいというウェイティングのお客様が複数いらっしゃいます。
最近ですと、『BIZcomfort』というフレキシブルオフィスが新しくできたり、一部の不動産会社も下北沢でのオフィス開発に動き始めているようなので、この先、どんどん供給が追いつくことを期待したいですね。
下北沢でオフィスを探している企業の方々とお話しすると、「昔、下北沢のライブハウスでバンド活動をしていた」「通学で毎日使っていた」「学生時代によく遊んでいた」といった声をよく聞きます。渋谷で学生時代を過ごした人は多くても、「だから渋谷で働きたい」という風にはなかなかならないと思うのですが、日常生活の一部に溶け込む下北沢にはそう思わせてしまう魅力があります。暮らしと密接なエリアだからこそ、地域のコミュニティの一員になりたい、という気持ちが生まれます。便利だから、働きやすいからだけではなく、下北沢が選ばれている理由はそんなところにあるようです。私たちも下北沢で働く一員として、愛着のある街で働くお手伝いが今後もっとできたらうれしいです。
