

オフィス街探訪
この「オフィス街探訪」は、ヒトカラメディアの中でもオフィス物件の仲介やリーシング業などを担当する”オフィスのプロ”が、今おすすめしたいオフィス街をリレー方式で紹介していく連載企画です。
今回は、赤坂1丁目というかなり狭いエリアに絞ってお話ができればと思います。このエリアは神谷町、六本木1丁目、溜池山王のちょうど中間に位置していて、大使館や公邸が多くあるような場所です。ANAインターコンチネンタルホテルや虎ノ門ヒルズ、麻布台ヒルズからも歩ける立地ですが、駅からは離れているエリアで、かつ、どこの駅からも坂を上らなければいけないので、オフィスを構える候補地として最初に上がってくるような場所ではありません。
しかし、私が以前「WAW⾚坂第35興和ビル」のリーシングを担当していた時から、このエリアには港区のど真ん中とは思えない魅力を感じていました。

ひとつは、都心にしては自然が多いところです。霊南坂や桜坂の桜は毎年本当にキレイで、このあたりの名所になっています。夏は夏でセミの声がよく聞こえます。お寺も多く、お彼岸やお盆など季節ごとの行事も身近に感じられ、季節の移り変わりをきちんと感じられるところが私はすごく好きです。
夕暮れ時、坂の上から下の方を見下すと、仕事を終えた方々が坂の下へ向かって帰っていくのが見えるんですね。それが学生時代の部活の帰りみたいな、どこかノスタルジックな雰囲気が感じられるんです。

オフィスビルが坂の上にまとまって建っていることもあり、昼間オフィスで集中して働くことができ、「今日もしっかり仕事したぞ!」と言って夕方には坂を降りて帰路につく・・・。そんなメリハリの効いた働き方ができるのが、このエリアのもうひとつの魅力だと私は思っています。仕事に集中できる時間を作るって、それだけで割とひと仕事だな、と普段から思ったりするんですが、ここは駅から少し離れていることや住宅街とも隣接していることもあり、集中しやすい環境が整っています。
集中して事業に取り組める、という意味では、今まさにプロダクトやサービスを育てているフェーズのスタートアップにはぜひおすすめしたいエリアです。逆に、営業マンが中心だったり、外での打ち合わせや商談が多い企業にはマッチしないエリアと言えるかもしれません。
2023年に麻布台ヒルズが開業し、その中に大規模なVCコミュニティ「Tokyo Venture Capital Hub」が開設されたことなどもあり、この赤坂一丁目エリアにも少しずつスタートアップが集まってきている印象があります。前述の「WAW⾚坂第35興和ビル」の入居企業も、スタートアップが6割、日本企業が3割、外資が1割です。
駅から遠い、坂も多い──そんな一見不利な条件を持つ赤坂1丁目ですが、フットワークが軽く勢いのあるスタートアップにとっては、他社やVCとのコミュニケーションも取りやすく、家賃も抑えられるこのエリアはとても魅力的なのではないでしょうか。
今ちょうど桜がキレイな時期ですので、ぜひ一度訪れてみてください。