IDEA
2025/5/29
[コミュマネ鼎談] “新しいコト”を生み出す人材を育成する研修プログラムと、コミュニティマネジメントの可能性
ヒトカラメディアの「コミュニティサクセスチーム」は、20名近いコミュニティマネージャーで構成され、ワークスペースをはじめとするコミュニティスペースの運営やコミュニティ醸成を担っています。コミュニティマネージャー、通称・コミュマネという職種はここ数年で浸透してきましたが、ヒトカラメディアのコミュマネは単なる施設運営にとどまらず、”コトを起こす”ためのコミュニティを育てる、場づくりのプロ集団。そんなコミュマネを増やすべく最近策定を行った独自の「コミュマネ研修プログラム」の中身についても迫りながら、コミュニティサクセスチームの思想を紐解きます。
ヒトカラメディア
プロジェクトメンバー
1. ヒトカラメディアが考える「コミュニティマネージャー」の仕事とは?
━━はじめに、みなさんの業務内容と拠点としている施設について教えてください。
影山 直毅(以下「影山」):僕は、コミュマネが所属しているコミュニティサクセスチームのマネージャーをしています。コミュニティサクセスチームの業務は大きく2つあり、1つは、運営をしている各施設の統括。2つめは、拠点を持たないコミュニティ醸成に関わるプロジェクトの推進。僕は加えて、東京・関西を中心に新規開拓や営業を担当しています。現在、運営を担っている拠点は、下北沢のワークプレイス『SYCL by KEIO』、シェアキッチン『つながりキッチンPONY』、虎ノ門ヒルズにある『Glass Rock ~Social Action Community〜』のほか、複数のプロジェクトや施設運営に伴走しています。
白石 優美(以下「白石」):私は『SYCL by KEIO』の立ち上げメンバーとして入り、今年で4年目を迎えました。コミュマネとして現場のマネジメントをするほか、渋谷にあるスタートアップ支援拠点の施設責任者も担当していいて、コミュマネの採用や育成等も行っています。
髙島 聖也(以下「髙島」):僕は主に社会課題解決の共創拠点『Glass Rock〜Social Action Community〜』のコミュマネをしています。ここでは、もう一人の正社員コミュマネと共に、コミュマネチームのリーダーとして全体のプロジェクトマネジメントやコミュニティ醸成、アカウントマネジメントを行っています。
2. どんなストーリーも共に描き、未来を見上げて進み続ける
━━ここ数年でコミュニティマネージャーという職種が広まり、さまざまな施設でコミュマネが活躍していますが、ヒトカラのコミュマネの特徴は、どのように捉えていらっしゃいますか?
白石:言語化がなかなか難しい部分ではあるんですが、まず、ヒトカラメディア全体の特徴として、開発の企画・開発から、内装設計、リーシングなどが自社で一気通貫で行える、というのがあります。施設運営についても、その体制のなかで行っていることがひとつの強みになっていると思います。運営だけを行うのではなく、開発時に据えていた目的や施設コンセプトを開発の上流段階から把握し、それを途絶えることなく同じゴール像を描きながらコミュニティを形成し、あたためていくことができます。
髙島:別の施設でもコミュマネを長く経験してきた僕が思う特徴は、大きく分けると2つあって。1つはビジネスの整合性を図る視点を持っていることでしょうか。なんとなく「コミュニティがあると良いよね」とか「こんな出来事が起きて素敵だね」だけで終わっていたら、施設を継続することが難しくなってしまいます。そのなかで、ビジネスの観点も同じように持ちながら両輪を回すことを前提としているのがヒトカラメディアです。
2つめは、妄想を一緒に楽しむところです。未来を描いてそこへ向かっていく時、どうしても渦中で誰かが疲れたり、計画が立ち行かなくなることがあります。その時、ヒトカラでは”ちょっと先の未来”や妄想を組み込んで、半歩先をリードしながら一緒にもがいていくんですよね。それも僕はヒトカラの特徴だと思っています。
影山:確かに、運営をしていった先に”誰と誰がどんな会話をしているか”とか”生み出したい状況”をいつも時間軸とセットで考えてるし、その景色に今が追いついてきた時も、”次にどんな景色を描くのか”というのは繰り返し考えていることではありますね。決して施設運営のオペレーターでは終わらず、僕らがコミュニティの中に介入/介在することで新しいコトを生み出せる存在でいたいね、という話をメンバーと繰り返ししています。
運営を長く続けていればいろんな変化があります。ひとつのワークスペースに何年も在籍してくださる方もいれば、新たに入会する人や退会する人もいる。コワーキング事業だけを見ると、”退会=数字が減る”という悲しさはあるかもしれないですが、事業が順調に成長して広いオフィスが必要になったり、活動範囲が広がったりなど、そこには必ず会員さんそれぞれが持つストーリーがあって、その人の人生の過程なんですよね。理由は様々ですが、僕らの拠点で起こることはどれも良い未来のための変化だと捉えていて。そこに少しでも力になれることが、コミュマネを続けるモチベーションの源泉になっています。
白石:そうですね。私たちは運営する施設のことだけではなく、「良いコミュニティとはなにか」をずっと考え続けています。コミュニティ運営って、成果として分かりづらかったり、その判断軸も明確ではないからこそ、その場にとっての「良いコミュニティとはなにか」を私たちが定義していく必要があるなと感じています。
━━近年、施設の運営を受託されるだけでなく、施設のコンサルティングやアドバイザリーの相談も増えてきているようですね?
白石:そうですね。最近ですと、下北沢にあるコワーキングスペース「Kanadebako」さんの施設立ち上げを支援するアドバイザリー業務を行いました。「もともと展開されている事業に加えて初めて自社でコミュニティをつくりたい。起業する人を支援する場を作りたい」というご相談をいただいたことがきっかけでした。ご相談いただいた時点で開業まで2ヶ月しかなかったので、コワーキングとして最低限機能するための準備やプロジェクトマネジメント、開業支援を中心に進めながら、コミュニティ醸成にまつわるヒトカラ独自のワークショップを実施し、その後もアドバイザリーを行い伴走しました。
「ヒトカラさんがいなかったら開業できてなかった」と言っていただけたのは嬉しかったですね。「場を作りたいけれどやり方がわからない」「新規事業としてやってみたけれど、場が活性化されない」という悩みを持つ方のお役に立てるなと感じるプロジェクトでした。
3. 独自アプローチでコミュマネを育成する、実践型「コミュマネ研修プログラム」
━━最近策定された「コミュマネ研修プログラム」について教えてください。こちらを策定することになった背景にはどんな狙いや思いがあるのでしょうか?
影山:はじまりは今から1年半前くらいですかね。ヒトカラのクライアントでもある人事図書館さんと「コミュマネの研修プログラムがあるといいよね」という話になったんです。たしかにコミュマネという概念をインプットする外部のプログラムはあるけれど、実践に繋がるプログラムはないなと思いました。そこで、同じチームの白石さんに相談してヒトカラ独自のものを作ることにしたんです。
白石:はじめは私と影山さんの2人だけだったコミュニティサクセスチームも3年目に入り、携わる施設や社員、業務委託のメンバーも増え、運営する拠点が増えてもヒトカラらしさを守るためにどうしたらいいのか?というのは課題に感じていたところでした。抽象的だった”ヒトカラのコミュマネ像”を共通認識できるようにしないと、今の”良いコミュニティを築いている”という評価に紐づかなくなると・・・。加えて、私たちが現場をメンバーに委ねていく未来も見据えた時、道に迷わないように何かを持っておきたいという思いもありました。ただ、この言語化がとにかく難しくて大変でしたね(苦笑)。
影山:本当に難しかった!僕たちが言葉にせずとも当たり前にしてきたことって何だろう?とか、施設によっては必ずしも当てはまらないものをどうカタチにするべきかとか・・・。
━━「コミュマネ研修プログラム」の中身を少しだけ教えていただけますか?
白石:簡単に説明をすると、研修は大きく3つのステップに分けて進めていきます。
ヒトカラメディアのコミュニティマネージャー像のインプット
ストーリーテリング力を鍛える対話型実践トレーニング
ケーススタディトレーニング
「1.コミュニティマネージャー像のインプット」は座学になるのですが、コミュマネに求められる基本的な機能や業務内容、心構えなどについて丁寧に説明しながら、それを踏まえて、ヒトカラメディアが思うコミュマネの役割や存在価値についてしっかりインプットしていきます。
このプログラムの特徴は「2.ストーリーテリング力を鍛える実践トレーニング」と「3.ケーススタディトレーニング」にあると個人的には思っているのですが、1. で学んだことを現場で発揮するためのトレーニングを行っていきます。施設のコンセプトやそのバックグラウンド、過去実施したイベントの様子、メンバー同士をつなぐ時の紹介の仕方など、借り物の言葉ではなく、“自分の言葉”で語れるかどうか。コミュマネの業務についても施設のことも、腹落ちしたうえで、“自分の言葉”として伝えられるようになってほしいですし、そのためには、相手が何を必要としているかをキャッチすることも大切だと思っています。
▲ヒトカラメディア「コミュニティマネージャー研修プログラム」より
━━虎ノ門ヒルズにある『Glass Rock ~Social Action Community〜』の施設開業時には、採用したばかりのコミュマネメンバーに向けてこのプログラムを使用して研修を実施されたそうですね?
髙島:そうですね。スキルやスタンスを学べるだけではなく「なぜそれが起こせたのか?」など、思考の導線を見える化しながらコミュニティの実例を伝えたり、実際にケースを想定して対話できるプログラムなので、最後は「この事例を当てはめると、Glass Rockでのコミュニケーションはどうあるべきか」というところまで話をすることができていました。開業前のマインドセットにもなり、研修を通してみんなのコミュマネとしてのスイッチが入ったなと感じました。
白石:このプログラムを通して、コミュマネ未経験の人でも”ヒトカラのコミュマネ”というプロ意識の担保ができますし、ヒトカラの在り方を問い続けてきた”今の私たちの考え”なので、これからジョインしてくれる方々とも一緒にヒトカラらしさを深めていきたいなと思います。
━━これからも進化・深化するみなさんの活躍が楽しみです。最後に、コミュマネに願う姿や、今後トライしてみたいことがあれば教えてください。
白石:コミュマネって、よく「人と人を繋ぐ仕事なんでしょう?」と言われるけれど、それだけじゃないんですよね。コミュマネが介在することで人と人が繋がり合う土壌ができたり、新しいコトが生まれて人生の豊かさや広がりに繋がっていったりすることに私は価値を感じています。そんなことを改めて考えると、今後は、ワークスペースに限らず、組織や企業の中でのコミュニティマネジメントにもチャレンジしていきたいなと思ったりしています。私たちのノウハウは、組織のカルチャーやコミュニティの醸成にも役立つんじゃないかなと思いますし、そうすると、きっとオモシロいコトが起こせると思っています。
髙島:僕も、コミュニティマネージャーという職種というよりは、”コミュニティマネジメント”という手法の方にもっと可能性があると考えています。人と人、個人とチーム、組織と社会など、コミュニティを生み出し、育み、そこで生まれる価値を最大化させるアプローチは業種/業界を問わないなと。例えば、営業職や企業内人事はもちろん、教員や医師といった専門職にも”コミュマネっぽい人”がいたら、その人しかできないことの可能性は広がると思うんです。汎用性のあるこの手法をこれから出会うコミュマネの方と僕たちでさらに社会的価値を高めて、いろんなフィールドに広めていこうぜ!っていう意気込みです。
影山:コミュマネの介在できる領域や場は今後もますます広がっていくと思うのですが、その場に集まる人たちは、事業成長や新しいチャレンジに繋がる気づきや出会いを得ようとしているはずです。僕らが”導線”と呼ぶそれとしっかり向き合い、後押しをしたり、応援ができるコミュマネがもっと増えたら嬉しいですね。

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取材・文/廣田彩乃
ヒトカラメディア
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