IDEA
2024/7/11
オフィスビルのトレンドと街の未来が見えてくる! [2024年度版] オフィス坪単価マップ
「リアルなオフィスビルの相場が分かる!」と毎年好評を得ている、ヒトカラメディアの名物企画『オフィス坪単価マップ』。今年も、当社の仲介チームを牽引し、自他ともに認める“ビルマニア”の木幡大地が、独自の調査・分析により最新のマップを完成させました! オフィスビル市場において、この1年間どのような動きがあったのか?移転する際のオススメの場所は?今後の坪単価予想など、最新マップをもとに木幡自らが詳しく解説していきます。
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2025年度版の坪単価マップも公開中!詳しくはこちら


1. ヒトカラメディアの『オフィス坪単価マップ」とは?
そもそも『オフィス坪単価マップ』とは何?というお話なのですが、これは元々私が趣味で作ったものがはじまりです。私は、オフィスビルがとにかく大好きで、時間があれば現地に見に行ったり、長年に渡って賃料やスペックを調べたりしてきました。その結果、オフィスビルの外観を見れば、およその賃料や面積が分かり、エリアごとの相場もだいたいの検討がつくようになりました。昨今は、そうした偏愛的能力を高めた結果”ビルマニア”と呼ばれるようになり、オフィスビルのトレンドに関する取材を受ける機会も増えています。
この『オフィス坪単価マップ』は、2018年に初めて作成しました。世に出ている家賃相場に対し「なんか高いな・・・」と疑問を持ったことがきっかけです。「実際に成約した時の賃料は異なるのでは?」と仮説を立て、東京中のオフィスビルを独自に調査・分析し、”リアルで本当に役立つ坪単価”を目指して作りました。『オフィス坪単価マップ』は、その後、5年間にわたり更新し続け、お陰様で多くの方にご覧いただいています。
そして、私が作る『オフィス坪単価マップ』には以下のような特長があります。
家賃相場は、募集時の賃料(=定価)ではなく、成約時に近い賃料にて算出
→実情に沿ったリアルな相場を知ることができる
紹介エリアは、区ごとではなく移転先の検討時によく挙がるエリアで括る
→比較検討しやすい
主要ビジネスエリア以外も含む
→さまざまなエリアを見て選択肢の幅を広げることができる
オフィス移転を検討中のお客様であれば、他のエリアの相場を知ることで選択肢が広げられますし、移転に関するさまざまな場面でも役に立つと思います。ここから詳しく解説していきますので、エリアごとの相場情報や最新情報に注目してご覧ください。
2. 全体的に価格は上昇。セットアップオフィス需要の影響か

約650棟のオフィスビルを対象に、入居テナントを募集していた面積100~300坪の物件を調査し、今年度も『オフィス坪単価マップ』を作成しました。昨年と比べると、まず全体として単価が上がっていることが大きなポイントです。理由としては、マーケットが活況になっていることがありますが、スタートアップから需要の高いセットアップオフィスが増えたことも相場が上昇する要因とも考えられます。
会社設立から10年以内という若い会社が多いため、通常オフィスを借りようとした際、内装を整えるのに必要な初期費用の捻出が難しい場合が多いです。そこで、賃料が少々高くても即日稼動できるセットアップオフィスが人気になっています。ヒトカラメディアのお客様はスタートアップも多いですが、いただくお問い合わせの実に約9割が居抜きやセットアップオフィスを希望しているほどです。
また、コロナによりリモートワークが定着し、ハイブリッド出社を推奨する企業が増えたこともセットアップオフィスの人気に拍車をかけています。出社する人数が減少したことで、オフィス縮小を検討した結果、すでに内装が整えられ、広めのラウンジやソファー席などが完備されていることは魅力的に映るようです。
そうしたセットアップオフィスは、内装構築にかかった資金を回収するため、通常の相場よりも賃料を多少上乗せして貸し出すことが多いです。そのため、全体の坪単価も上がったのだと思います。
3. [注目エリア] その①:渋谷
ここからは、2024年度版坪単価マップのなかから私が注目したエリアについてご紹介します。まずは渋谷です。昨年より約4000円上がっていますね。これは、コロナが収束して人々が街に戻ってくるなかで「やっぱり渋谷がいいよね」と、人気が上がっていることが要因だと考えられます。
それだけ人気だと、空き物件はそれほどないのか?とお考えになる方もいるかと思いますが、実は大規模なオフィスビルを中心に、入居者の募集をかけている物件が増えているのです。通常であれば、競合物件との関係で価格は推し下がっていくものですが、それを上回る需要があるようですね。

さすがに、コロナ禍以前の非常に高かった坪単価にまで戻ってはいませんが、今後はさらに上がっていくことが予想されます。渋谷エリアへオフィス移転を検討されている方は、今のうちに決めることが得策かもしれません。
4. [注目エリア] その②:田町、浜松町
次にご紹介したいのは、田町/浜松町エリアです。私はもう何年も前からこのエリアを推しているのですが、その良さに気付いてくれる人がまだ少ないようです(笑)。このエリアの最大の特徴は”主要エリアのマーケットに左右されない”というところです。昨年より単価は1000円ほど上がっていますが、相場よりもかなり安い物件も数多く存在します。
また、常時空き物件も多いので、移転先の選択肢は結構ありますし、飲食店も豊富にあるので、ランチ難民で困ることはなく働きやすいエリアでもあります。交通アクセスもいいので、通勤しやすいこともメリットの1つですね。2025年には『田町駅前建替プロジェクト』による超大型の高層ビルも竣工予定ですので、今後賑わいも生まれそうです。
5. [注目エリア] その③:六本木
次に注目したいのは、六本木エリアです。坪単価は2万6000円台ですが、もう少し高いと思っていた方も多いのではないでしょうか。私たちオフィス仲介の立場からすると、実は六本木は”それほど高くない”エリアなんです。坪単価2万円前後の物件もあるようですので、探してみると案外、安くて良い物件に出会えるかもしれません。
6. [注目エリア] その④:五反田
今年度の最注目エリアは、ずばり五反田です。スタートアップやベンチャー企業がたくさん集まり『五反田バレー』と呼ばれて久しく、引き続き人気エリアですが、昨年度より2000円ほど安くなり、東京都の中ではかなりコスパが良いエリアと言えるでしょう。空室は増えているのですが、渋谷とは異なり、交渉すればより単価が下がる事例もあるようです。

実際、私のお客様の中にも、渋谷エリアを最初に検討されていましたが、価格を見て五反田に移転先を変更した企業も多くいます。五反田エリアは単価が安い、移転先のビルの選択肢が多い、ベンチャー企業が多い、など幅広い魅力がありますし、駅チカでも、価格を抑えた物件を借りられる可能性が高いです。私自身、引き続き推していきたいエリアがこの五反田です。
7. まとめ〜今後の坪単価予想
2023年は『麻布台ヒルズ』、『渋谷サクラステージ SHIBUYAタワー』などの新築ビルの開業ラッシュが続きました。それに伴い、既存ビルが空く、いわゆる”二次空室”の問題が懸念されていましたが、結論から言うと、それほど影響はなかったように思います。というより、空室が出る予定ではあったが、その情報が出る前(正式募集前)に成約となったということが多かったようです。
今後、”二次空室”の問題がどのように広がるのか分かりませんが、渋谷と五反田では徐々に空室が増えているようです。渋谷は、需給が締まっている関係で、今後も”空室はあるが価格も上がる状況”と言えそうです。
それでは、今後も引き続き、都心のオフィスビルトレンドに注力していきますので、また2025年度版の『オフィス坪単価マップ』でお会いしましょう。

取材・文/太田祐一
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