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2025/7/23

従業員それぞれが楽しく、高め合える環境を〜WAKUWAKU社のオフィス増床プロジェクト

教習所向けのポータルサイトやコールセンター事業を展開する株式会社WAKUWAKU。同社は、既存オフィスがある1つ上の4階フロアを新たに借り、従業員が楽しく働けるオフィス空間を作り上げました。このプロジェクトを空間デザインを手掛けたのがヒトカラメディアのプランナー・辻村です。WAKUWAKUの亀川社長、小野さん、久我さんと共に、バーカウンターや焚火があるユニークな増床プロジェクトを振り返ります。

1.メンバーは能力をどうしたら発揮できるか?そのための環境をどう作るか?

――最初に、WAKUWAKUさんがどのような会社か教えてください。

WAKUWAKU・亀川 弘晃様(以下「亀川」):教習所向けのポータルサイトと、合宿免許のコールセンター事業などをメインに行っています。コールセンター事業では、合宿免許を検討中の方に、時期や場所、費用などの希望をヒアリングして、最適なプランを提案しています。働き方で何よりも大事しているのは、みんなが楽しく働けることです。数字や業績だけを追いかけていたらどんどん疲弊してしまうし、従業員のことを一番に考えて、その人が持っている能力をどうしたら発揮できるか?その環境をどうしたら作れるか?を日々考えていますし、それが結果、会社の成長に繋がっていくと思っています。

――楽しく働けるためにどのような工夫をされているのですか。

亀川:増床したフロアでも使用していますが、WAKUWAKUでは独自開発のダッシュボードを大型モニターに表示させて、コールセンターの目標を達成すると花火や寿司のアニメーションが出るような仕掛けを作っています。ほかにも、社内通貨の『ワクワクコイン』を導入しています。このコインは業績に応じて配られ、それをお酒やディズニーランドのチケットに交換できるような仕組みにしています。楽しく働いていたら、いつの間にか売上も上がっているという状態が理想ですね。


2.将来を見据えた増床。でも、席を増やすだけじゃ面白くない

――今回の増床プロジェクトはどんな経緯で始まったんですか?

亀川:最初は、コールセンターの席が足りなくなってきたという実務的な理由です。事業が急成長し従業員が毎年増加していたので、1年後にはキャパオーバーするのが目に見えていました。それで、同ビルの別フロアが空いた時に急いで契約をしました。でも、単に席を増やすだけじゃ面白くないと思い、社内外のコミュニケーションを活性化させる仕掛けをふんだんに盛り込んだ空間にできればと思いました。

――はじめにどのようなアイデアをお持ちでしたか?

亀川:割と今の完成形に近いイメージを持っていて、焚き火やバーカウンターは作りたいと思っていました。 規模感や豪華さではなく、個性にこだわれば、中小企業であっても大手企業には作れない価値を生み出せると考えたんです。

WAKUWAKU・小野 友美様(以下「小野」):亀川はいつもこんな感じで、急に突飛もないことを言い出したりするんですが、そのアイデアが面白いんですよね。

WAKUWAKU・久我 崇様「以下「久我」」:そうなんです。従業員との距離も近いし、真剣に楽しく働けるにはどうすればいいかを常に考えています。私たちは亀川の頭の中を具現化するために、スケジュール管理や現実的に可能なのかどうかを考え、具現化することが仕事ですね。

▲株式会社WAKUWAKU 代表取締役社長 亀川 弘晃 様(右)

――今回の増床プロジェクトは制作過程をフェイスブックで公開されていったとか。

亀川:はい。オフィスが完成するまで、Facebookのグループスレッドで、工事の進捗や新しいアイデアを投稿していました。例えば、出張先でいい家具を見つけたら写真を撮って投稿するとか。舞台裏を見せていくことも面白いし、エンターテインメントの一つだと思っていて。

――具体的にどんな人を招待したんですか?

亀川:お客さんだったり、取引先だったり、友達だったり、グループスレッドで100人ほど招待制にしました。「ヒトカラメディアさんから、こんな提案をもらいました」「こうデザインしました」「実際こんな感じになりました」って。すると、オフィスができあがった頃には、みんなが“自分ゴト”として捉えてくれているんです。実際、こけら落としのイベントにも、そのグループから何人も来てくれましたよ。

▲株式会社WAKUWAKU 小野 友美 様(中央)、取締役 久我 崇 様(右)

ヒトカラメディア・辻村茉樹(以下、「辻村」):亀川さんが新しいアイデアをFacebookに投稿される度に、私は「また来たぞ...大丈夫かな....」と思っていました(笑)。でも、それを自分の中で現実的なプランに落とし込んで形にしていく過程が面白くて。亀川さんは出張先などでいいものを見つけると、すぐ写真を撮って送ってくるんです。「こんなの見つけた!」とか「これ面白いから入れたい!」とか。

亀川:辻村さんは私の無茶ぶりにも耐えて(笑)、本当に真摯にやってくださいました。

辻村:亀川さんの頭の中にイメージがしっかりとあって、私たちがラフ図を描いて送ると、そこに手書きで追加アイデアなどを書き込んで送ってくださるんです。しかも、すごい勢いでアイデアが増えていく(笑)。そのアイデアを持ち帰り、ヒトカラメディアの他のプランナーにも相談しながら頭をひねり考えていきました。亀川さんは私たちの意見にも耳を傾けてくださいますし、こういった関係性が良いモノ(=オフィス)につながったと思います。

3.焚き火にバーカウンター、動画連動の照明まで。驚きの仕掛けたち

――実際にどのような空間になったのか少しご紹介いただけますか。

亀川:一番こだわったのは、入ってすぐ目を引く焚火とバーカウンターです。焚火は電気式なんですが、本物の焚き火のような色合いになって、煙のような水蒸気も出るんです。これは、L.A.出張中にホテルのロビーで見て、「これだ!」と。海外のホテルでは、こうした電子焚火が人気で、ロビーに結構置いてあるんですよね。すごくいい雰囲気だったんで、それを見た瞬間に「うちにも欲しい!」と思って、イギリスから船便で取り寄せました。

辻村:最初は焚き火をフロアの真ん中に置くプランも考えたんですが、イベントする際に制限されてしまうので、途中で変更をしました。でも、そのおかげで入ってきた時のインパクトと、実用性のバランスが取れたと思います。

亀川:ちなみにバーカウンターについては、日本酒が飲み放題です(笑)。

――日本酒が飲み放題ですか!? 羨ましい・・・。

亀川:実は、今後日本酒事業を始めようと思っています。でも、最近の若い子って日本酒を全然飲まないじゃないですか。飲んだことがあったとしても、安い日本酒しか飲んだことがない・・・。本当に美味しい日本酒を知らないんです。だから、知らないとなかなか買わないような日本酒を置いて、まずは社内に日本酒ファンを増やすところから始めようと。

辻村:そういった流れに繋がるように、バーカウンターに少し角度をつけて斜めに配置しました。そうすることで、フロアに入室してきた人の目にバーカウンターの様子が飛び込んできて、足が向きやすいようになります。

――照明にも工夫があるそうですね。

辻村:まず、前方にステージを作り、隣にある大型モニターの資料を投影しながらプレゼンできるようにしています。そして、前方のモニターから両サイドの部屋の中央くらいまで、テープ状の照明を取り付けました。これは、モニターに映る動画の色彩やタイミングに連動して、部屋の照明が光る仕掛けです。

――トイレの壁紙も奇抜でかっこよかったです。

亀川:そうそう、トイレの壁紙は完全に辻村さんにお任せしたんです。「派手にしたい」とだけ伝えて、僕は一切見ないで、現場で初めて見ることにしました。ドキドキしましたけど、結果、自分だったら絶対思いつかないような素晴らしいものを選んでくれました。お任せして良かったです。

――完成後、従業員の反応はどうでしたか?

亀川:実は4階については、従業員にずっと内緒にしていました。みんなを驚かせて、ハッピーな気持ちにしたかったんです(笑)。既存の執務席である3階は従業員の意見をかなり聞いて、使いやすい空間にしていました。4階は、発想を180度変えて、誰も想像できないようなものを作りたかったんです。
基本的に立ち入り禁止にして、でも完全に秘密というわけではなくて、間取り図をさりげなく机に置いたりして、想像力を刺激していました(笑)。完成後、オフィスを見た従業員たちは驚いて目を輝かせていました。「よっしゃー!」と心の中でガッツポーズしましたよ。

4.楽しく成長する組織へ。複数の新規事業を構想中

――4階は今後どのように活用することを考えていますか。

亀川:仕事にゲーミフィケーションの要素を取り入れ、例えば、自分で設定した目標をクリアするとこの4階が使えるようになるなど、それぞれが楽しく高め合える環境のためにこの場所を役立てたいと考えています。今のところは社外向けのイベントや社内総会などで活用しています。

――イベント開催といえば、こけら落としのイベントが大盛況でしたね。

小野:ええ。7月には社員総会を外部公開でする予定で、すでに参加者予定者が80人を越えています。

――社内総会も外部公開するんですか?

亀川:そうなんです。社内総会って普通にやると堅苦しくてつまらないじゃないですか(笑)。それを社外に公開することで、会社のファンを作っていく。実際、他社の会社説明会って見てみると面白かったりします。従業員もハリがでるし、取引先と接触頻度を高めることで、いつの間にか好きになってもらえたらいいなと。
私自身、極端に言うと好きな人とだけ仕事したいんです。辻村さんだって、お客様という感覚はなくて、一緒にWAKUWAKUを作っているメンバーという感覚でいます。社内外を分け隔てなく、自社の社員のように付き合う。ヒトカラメディアさんの価値観が好きだから、一緒に仕事しているんです。

辻村:亀川さんからいただいたお題をそのまま出すのではなく「期待を超えたい」という思いがあるので、自分なりに120%の形で提案するようにしていました。亀川さんのアイデアは本当に面白いんですけど、それを実現可能な形に落とし込むのが私たちの仕事です。「これだったら予算内で実現できる」という選択肢をいくつか提示しながら進めていきました。

――最後に、今後の展望をお聞かせください。

亀川:これからも、従業員が楽しく働ける仕組みをどんどん作っていきたいですね。直近では、日本酒事業を始めると思いますが、自社でトライアンドエラー中の”楽しくカラフルに働ける仕組み”の社外輸出事業など、やりたいことはたくさんあって、今から寿命が足りないのでは? と心配しています。この4階の空間は“ワクワク”した気持ちで、社内外のみなさんが笑顔になれる場所になればいいなと思っています。


 取材・文/太田 祐一