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2026/7/14

【内装デザイン事例】メリービズ株式会社様
空間をきっかけに生まれる変化と文化 〜増床にこだわったメリービズ社のオフィス拡張 

経理業務のアウトソーシングサービスを展開するメリービズ株式会社。全国約2,000名のリモートワーカーが企業の経理業務を支援するというモデルで成長を続ける同社が、今回、渋谷に構えるオフィスの増床を行いました。移転ではなく増床にこだわった背景には、同社が大切にする”連続性”と”積み上げ”への強い思いがありました。 今回は、取締役の太田様、総務担当の中村様、そして内装デザインを担当したヒトカラメディアのプランナー・江川に、1年がかりの本プロジェクトを振り返っていただきました。

ヒトカラメディア
プロジェクトメンバー

1.ガラッと変えるより、積み上げてきたものを拡張する——増床にこだわった理由

―― 今回、移転ではなく増床という選択をされた背景をまずは教えていただけますか。

メリービズ株式会社・取締役 太田剛志様(以下「太田」):最初から増床一択で考えていたんですが、なかなか別フロアが空かなかったりして、移転を検討した時期もありました。それでも増床にこだわった理由は、コスト面のこともありますが、一番は「連続性を大事にしたい」という気持ちです。

――連続性、というのはどういう意味合いでしょうか。

太田:メリービズは、会社バリューに「過去の積みあげや常識を尊敬しながらも、縛られずに変化と進化を楽しみ、最善最速の一手を打ち続けよう」という言葉を入れているんですね。積み上げてきた価値への尊敬や尊重、そこからの連続性を会社としてとても大事にしています。オフィスもそれと同じだと思っています。ガラッと場所を変えると会社のフェーズが上がった感はありますし、それはそれで別の意味があると思います。でも、過去から積み上げてきたものを踏まえながら拡張したり変化していくほうが、自分たちらしいなと思って。

―― ”連続性”を重視される中で、なぜ今回ヒトカラメディアにご依頼頂いたのでしょうか?

メリービズ・中村英子 様(以下「中村」):連続性というところももちろんあるとは思うのですが、一番大きいのはヒトカラの皆さんが当社のカルチャーを理解して、それをデザインに落とし込もうとしてくださる点だと思います。今回も私たちのこだわりに諦めずにお付き合いくださいました。
ヒトカラメディアの皆さんって、ミッション・ビジョン・バリューとか、カルチャーへのこだわりをメリービズと同じように大事にしているなあというのがすごく伝わってきて。そういう同じ目線で「いいですね」と言い合えるのがうれしいです。

―― 今回のプロジェクトでは、どんなオフィスにするかを考える前段として、ワークショップを数回実施されたと聞いています。どういった経緯でそのステップを踏むことになったのですか。

中村:実は、オフィスが手狭になってきたことへの意見や要望の声を社員から受け取っていたので、次のオフィスはみんなに受け入れてもらえるものにしたいという気持ちが強くありました。第三者であるヒトカラメディアさんが入ってワークショップをやっていただくことで、メンバーがフィルターをかけずに本音を話せた方が良いかなと思ったんです。やってみると、意外とみんなオフィスに関心があるんだなというのが一番の発見でした。

ヒトカラメディア・江川郁美(以下「江川」):ワークショップの実施については、私たちからご提案しました。メリービズさんでは、組織の部門も人数もどんどん増えていく中で、社内コミュニケーションに課題が出始めているということでした。それであれば、「皆さんがそれぞれの課題や未来のことを話す機会としてもワークショップをやってみませんか?」「良い関係性作りから良い循環を作っていきませんか?」と提案させていただきました。
具体的には、アンケートと3回のワークショップを実施しました。まず価値観を共有し合うワークショップをして、お互いを知った上で「メリービズにとってのいい仕事とはなにか」を言語化し、そのための空間を一緒に考えていくという流れです。

2. 見えることで、知ることができる。知るから、好きになれる。

―― オフィスの特徴のひとつが、会議室と執務スペースがガラス張りで繋がったような一体感のある設計です。これはどういった意図でデザインされたのでしょうか。

太田:ここは、私が強い意見を持っているところで、「知らないものは愛せない」というのが根本にあります。
会社が大きくなってくると、誰が何をしているかが感じにくくなる。でも、一度でも見たことがあれば、「あの人が楽しそうにしているな」とか、「苦しそうだけど頑張っているな」とかが分かり、アクセスするきっかけになるんです。好きになったり、関心を持つきっかけが生まれるというか・・・。でも、普通の会議室は閉ざされています。仕事時間のうち、ミーティング・社内外の打ち合わせなどで会議室やオープンスペースで誰かと一緒に活動する時間はとても多いと思います。平均すると3〜4割、多いときには6〜7割くらいを占めることもあるのではないでしょうか。それって最高のコンテンツだと思うんですよね。そのコンテンツをみんなの目に入れるような仕掛けを作りたいと思いました。

中村:ガラス越しに見えるってこんなに違うんだ、というのは私も使いながら実感しています。今月入社したメンバーへの説明をしている様子が見えて、いつもちょっと怖そうに見えていた人がすごく楽しそうに話しているのが分かったりして。あ、そういう顔もするんだ、と思うと話しかけやすくなるんですよね。

江川:音が漏れない個室の機能は保ちながら、でも様子はちゃんと見える。そこを大事に設計しました。特に、今回の増床フロアは全部の会議室が見渡せる配置になっているので、日常の中で自然と目に入ってくると思います。実際に使い始めてみてその意味を感じていただけているようでうれしいです。

―― メリービズさんは一貫して固定席にこだわっていますが、その理由を改めて聞かせてください。

太田:もう最初から固定席以外は考えていません(笑)。”意図を持って人を混ぜたい”と思っていて、3か月に1回のローテーションで固定席を作っています。フリーアドレスにすると、どうしても”隠れ固定席”になりがちです。必ずしも全員分の席を用意しなくて済むという経営的メリットもありますが、そこは割り切って、オフィスは投資だと捉えて全員分の席を用意することにしています。
固定席の一番の価値は、近くに座っている人との関係性を育めることです。育むまでにも時間はかかると思っているので、固定席ではあるのですが、3か月に1回のローテーションにして、強固な関係性を増やしていけるようにしています。

中村:固定席って、「あなたの席をちゃんと用意してお待ちしています」という会社からのメッセージでもあると思うんです。採用面でもプラスに働くと思っています。フリーアドレスだと、外出から戻ってきたら席がなかった、ということも起こり得ますが、固定席だといつでも自分の席があるので、出社率にも効くと思っています。

江川:みなさんが趣味のアイテムなどを置いたりして、自分の席をちょっとずつカスタマイズしているのも見ていておもしろくて。アレンジの仕方でその人らしさが見えてくる。固定席だからこそできることですよね。

3. ”場所きっかけ”で生まれる変化と文化

―― 増床が完了し、社員の皆さんの働き方や行動に変化はありましたか。

中村:ランチタイムの光景は明らかに変わりました。以前は自席か外食かという選択がほとんどでしたが、今はみんなで買ってきてフリースペースに集まって食べている光景が見られるようになりました。余白があることがこんなに大事なんだなと実感しています。

太田:退勤後の使い方も変わりましたよ。社歴が浅めのメンバーが中心になって、木曜日の終業後に『Merry's Bar』という名前で軽く飲む会を自発的に始めてくれているんです。あとは、社員の発信でいくつか同好会もできました。音楽同好会では、大きい会議室を使って月に2回ぐらいいろんな世代の男女が集まって自分の推しの音楽を聴き合うという。

中村:自発的に始まっているのが本当にうれしいんですよね。場所があるから発想が生まれ、実現できているんだと思います。

江川:うれしいです。何か新しいことを始めるとき、「これやりたいけどどこでやろう」という場合もありますが、「あの場所があるからこんなことできるかも」という、”場所きっかけのアイデア”って絶対あると思っていて。それが余白のある空間にしたかった理由のひとつです。

―― 改めて、このプロジェクト全体を経て、オフィスに対する考え方に変化や気づきはありましたか。

中村:空間に仕掛けを持つと、今までなかった発想が生まれ、新しい動きが起こると感じています。増床した今、オフィスで過ごしていて、それをとても実感しています。

太田:連続性の中でも変化を与えることで、こんなにいろいろなアクションや行動が生まれるんだな、と思いました。それと、やっぱりオフィスは投資だよな、と改めて思いましたね。オフィスってお金が分かりやすくかかるからすごく明確なんですが、体感として、これだけかけて良かったと感じています。
このオフィスの色々な仕掛けや意図って、実はみんなはそこまで理解していないかもしれないけど、潜在意識に働きかけるものだからそれで良いと思っています。ただ、だからこそ、作る側の意図や意思が重要で、それを汲み取ってくれるパートナーがいることが大事だと思っています。ヒトカラメディアさんでなければ、やれることがぜんぜん違っていたと思います。

江川:私たちにとってもとても大切なプロジェクトでした。ワークショップを通じてメリービズさんの”静かな熱さ”のようなものが見えてきてからは、それを空間に活かしたいなという気持ちで取り組めました。

太田:もし上の階が空けば、さらに増床を考えたいなと思っています(笑)。それと、地方拠点の展開を考えていて、来年ぐらいには本格的なオフィスが借りられたらと思っています。そのときにはまたよろしくお願いします。

江川:ぜひまたともにつくりましょう!ご検討中の会議室名に合わせてのプチアップデートなど、お気軽にお声掛けください。一年間、本当にありがとうございました!


編集/ヒトカラメディア編集部