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2021/5/14

不動産仲介のプロフェッショナルに求められる営業スタンスとは? フロントメンバー座談会

「都市」と「地方」の「働く」と「暮らす」をもっとオモシロくする。というミッションを掲げているヒトカラメディア。手前味噌ではありますが、不動産仲介/内装設計/ワークショップ設計/内装工事/ビルPM/施設運営と、かなり手広く事業展開しています。
今回は、ヒトカラメディアのサービスの強みを探る第一弾「不動産仲介」をお送りします。 これらの事業展開によって、それぞれの部門がどのようなシナジー効果が生まれているのか。また、仲介営業として持つべきスタンスは何なのか。じっくり話し合いました。

ー タイプが異なる仲介プレーヤー3名に集まっていただきました。今回はこの場で自身の仲介スタイルを話し合い、お互い気になった点について質問する時間になればと思います。

なぜこのアクションが必要なのか、整理しながリードすることの重要性

尾崎:

自分の仲介スタイル……、「徹底的に寄り添う」スタイルって感じかな。ヒトカラメディアに入社してから意識して寄り添った営業ができるように調整してきた、って感覚がある。

ー 具体的に、「寄り添う」ってどういうことなんでしょうか?

尾崎:

「理解する」って感じかな。ヒトカラメディアではスタートアップやベンチャーのお客さんが多い。盤石な経営状態というよりは、経営フェーズがとても早いサイクルで変動したり、頻繁に計画調整をしたりしていることが多いんだよね。

だから、クライアントさんが今どういう状況なのか”理解”をする。事業計画だったり採用計画だったり、お客さんの会社の総務チームのリソースだったり。「自分はお客さんの会社の一員だと思ってやってる」ってスタンスを伝えた上で、理解するために必要なことを惜しみなくヒアリングするようにしてるね。

ー 要件として出てくる情報の背景を読み取るためのヒアリングってことですね

尾崎:

そう。ヒアリングのときも「なぜこの質問をするのか」っていう意図も伝えることが大事でね。たとえば、「重要な局面だから、ドンズバな提案をしたい」とか「入居審査を通すために、保証会社やビルオーナーに対して説得できるようストーリーを整理したい」とか。

とはいえ、こういう質問のやりとりって情報整理に頭をつかうから、答える側が混乱しないようになるべく一気に聴きすぎないよう順序立ててヒアリングしています。

「伝えることが最小限で済むから助かる」と言ってもらえる関係性をつくる

三川:

前職では、どんどん空室物件を提案していって反応がよかったら内覧にエスコートするっていう、いわゆる物件を通じてコミュニケーションを取っていたって聞きましたけど、ヒトカラメディアに入社して営業スタイルが変わったってことなんですかね?

尾崎:

だね。前職では「いかに早く提案するか」が中心だったし、お客さんへのヒアリングも早く提案するための答え合わせみたいな内容だったんだよな。「社員は何人いますか?」「どのくらいの広さで探していますか?」って聞いて、「じゃあここが空いていますね」みたいなね。

三川:

何がきっかけで変わった?

尾崎:

やっぱりお客さんがスタートアップやベンチャーの企業が多くなったからかな。いわゆる”普通”に審査にかけると、”普通”に審査に落ちちゃう会社も珍しくなくなった。だから、「審査をどう通すか」って思考になって。そのためには、お客さんの情報も必要だし、協力してほしい。だから、自ずと今のスタイルが生まれたって感じだね。

だから、自分は結構コミュニケーション量は多いほうだと思うんだ。会って話す以外でも、メッセンジャーもSlackも使うし、電話をかけることも多い。

ー でも、忙しい人ほど電話を嫌うって話もありますけれど……

尾崎:

もちろん、そういう人も居る。だからあらかじめ、電話をするときは「急ぎで聞きたい時」か「ニュアンスか確認したいとき」なんだって、理解してもらえるよう説明してるんだよね。

三川:

まず電話出てもらおう。この人だったら電話に出てもいいかなって思ってもらう関係性を築いているんでしょうね

尾崎:

うん、それは意図して作ってる。「電話の大切さ」ってのを事前にしっかり伝えてる。やりとりできる情報量とスピード感が全然違うからね。

ー 実際に「寄り添う」ということが、具体的にどういう状況なのかわかりました。これを受けてお客さんはどんなリアクションなんでしょう?

尾崎:

「常に把握してくれてますよね」「把握しようとしてくれてますよね」って言葉をいただくことが多いかな。リピートのお客さんが多いこともあるからか、結果的に「伝えることが最低限というか、最小限で済むから助かる」と。そこから、今後も継続してお願いしたいって言ってくれて、自分もお客さんもやりやすい状況に整っていく感じだね。

加えて、ヒトカラだと内装設計や内装工事も、会社内で連携できる。だから「ニュアンスとかも全部を汲み取ってくれる尾崎さん」って状況が進むにつれて言ってもらえうようになったね!

ー お客さんからすると、企業状況からオフィス要件を整理していくところを並走してくれるパートナーが居るっていうのは心強いですね。

プロとして働くために、お客さんの"本音"を引き出す

谷川:

僕は、結構シビアに売上や数字を追いかけるスタンスなんですが、それだけじゃダメだと気づいたんで、本音で話してもらえる状況を作るようにしましたね。

ー 本音で話してもらえる状況というと?

谷川:

まず、自分の気持ちを真っ直ぐ伝えるってことですね。今回の移転プロジェクトを「不動産のプロとしての意見」に合わせて「自分が社員だったらどう捉えるか」という意見も素直に伝えます。

「この物件は経営目線だったらいいと思うんですけど、僕が社員だったらここは嫌です。なぜならば〜」という話をすることもあるんですよね。いろんなお客さんの移転を担当してきたし、ヒトカラメディアも何度も移転してきたから、自分の経験も交えて意見します。

もちろん、お客さんが「会社として何を実現したいのか」という話も、採用計画も、事業計画も踏まえての話ですが。書面だけだと、大事なところが抜けちゃう感覚があるんですよね。

ー たしかに、書面だけの情報だと、本音と建前の区別がつかないってこともありそうですね。

谷川:

「書面だとこうなってるけど、気持ち的にはどうなんですか」ってところまで聞きますね。

そうすると、「実はちょっと無理してます」とか「こういう物件が良いんだけど、条件が厳しいからちょっと妥協をして情報伝えてます」みたいな話が出てくることがあるんですよね。こういう本音が知れると、その上で提案ができる。特に、ポテンシャルや強みを掴んでいる物件の良さと+会社としてどうしたいのか、というところを合わせた提案がしやすくなります。

お金の話になりますが、ヒトカラメディアとしては仲介手数料は1ヶ月いただくというサービス提供しています。だから、中途半端な提案にならないよう、1ヶ月の働きはきっちりしますよ、ってことです。

ー 実際のところ、仲介手数料無料のサービスを引き合いに出されたとき、どう対応しているんでしょう?

谷川:

正直な話、いち仲介ってなると腐るほどプレーヤーがいるんですよね。

会社の状況とか背景とか関係なくどんどん物件を提案するプレーヤーでも、この系統だったら仲介手数料無料のA社が強い、みたいなところは実際にあるし自分も把握してる。だから、「物件を選定できる判断基準を明確に持っていて、物件をどんどん出してもらえれば十分だ」というお客さんのときは、A社をおすすめすることもあります。

三川:

プロだからできることも結構あるってことだよね。

谷川:

ですね。ヒトカラメディアだと社内に設計チームも工務店チームもいるから、お客さんの本音の要件に沿うテストフィットを依頼したり、工事ができるかの確認もできます。移転プロジェクトのロードマップを作って全体像を把握できるように情報整理する必要もありますよね。

要は、担当者さんが「きつい」と思うポイントを巻き取れるんですね。その上で「担当者さんはこういう動きをしてください」とプロジェクトを明瞭/明確にしていく。

何か移転を仲介だけがやるとかじゃなくて、うん、一緒に何かプロジェクト化しちゃおうみたいな。一緒にプロジェクトを作っていきましょうっていうスタンスなので、そういう「どの判断をどんな観点で判断していくのか」を提案するのが、プロとしての働きだと捉えていますね。

「センスを磨く」を地で進めて、共通言語を理解する

尾崎:

お客さんのタイプも自分と結構違うよね。レオ(谷川)は、アパレルやデザイン事務所を担当しているイメージがあるな。

谷川:

ですね、担当していますね。

それで言うと……、お客さんが言っている「良い感じ」というのを、言語化をしてあげるっていうのは、結構、仲介手数料無料のサービスじゃやりきれないだろうなって感覚がありますね。

ー 具体的に、どういうことでしょう?

谷川:

例えば、デザインの良し悪しを判断する基準って、なかなか言語化されていないことが多いんですよね。「コレはあり」「コレはなし」ってばっさり判断したり、事務所独自の社内共用語があったりするんですね。このデザイン的な感覚を、お客さんに擦り寄せていくためには、根強く確認していくプロセスが必要です。

「自分なりに合うと思うテイストを選んで来たんだけど、マルバツで判断してほしい」なんてやり取りを繰り返したこともありますね。けっこうしんどいんですけど、結果「谷川さんなら感覚をわかっているから」って言ってもらえるようになった。

三川:

センスを磨くってのを地で進めるんで大変だけど、得るものは大きいよね。

谷川:

そうすね。こういう感覚のすり合わせ能力だったり、あと自分の年齢や世代だったり、スキルとフィジカルの両面で自分だからできる強みってなんだろうって探っていますね

そこにお客さんの背景や本音といった条件を組み合わせることで、何がどうなれば良いか考える。だから、世代が近い経営者の方とのプロジェクトだと、あえて友達目線だったり、その後輩みたいな感覚で話せるような状況を作るってのは意識してますよ。

お客さんの分身となって、オーナーにプレゼンするスタンス

三川:

2人の話を聞いた上で、僕の話は多分テクニカルな内容になりそう。

ヒトカラメディアでは普段、元付(オーナーから直接借主を探すことを依頼されること)だったり、プロパティマネジメント(オーナーに代わって不動産運営をすること)に携わっているから、仲介以外の知見を活かしたプロジェクトの進め方を話しますね。

ー 仲介以外の知見を活かしたプロジェクトの進め方、気になります

三川:

まず大前提として、語弊を恐れずに言うと「オーナーさんって基本的に未知のものが怖い」んですね。当たり前ですけど、オフィス移転って新しいビルと契約を交わして引っ越ししますよね。オーナー目線でみると、自分の資産であるビルには「安心、信頼できる業績の良い企業」に入居してほしい、って考える。

仲介というポジションは、入居者とオーナーの橋渡しをするプロフェッショナルですから、このオーナーの想いを無下にするような行動をするなら、一流とは言えないと思うんです。

どんな企業なのか、事業の見通し、将来性、ビルに対する想いなんかを、オーナーさんに説明するってことを心がけてますね。

ー お客さんの分身になって、オーナーさんにプレゼンするイメージ?

三川:

スタンスはそんな感じです。

たまに、「まだ会社情報を案内できる資料がない」なんて企業さんもいらっしゃるんですよね。ホームページの情報が更新されていないとか。だったら、ちょっとお時間いただいて、ビルオーナーが押えておきたい情報をヒアリングして資料化したり、ニッチな業界のサービスだったら専門用語を理解しやすいよう補足資料を作ったり。

「この決算書は、こう読んでください」的な補足をオーナーさんにすることもありますね。

谷川:

「オーナーだったら、こういう感じで来たらどう思いますか」って感じで、三川さんにアドバイスもらうことあります。

信頼関係を積み上げるためのリードは、抜かりなく

三川:

あと、すごく細かいことなんだけど。

「今回の内覧ではジャケットを着てきてくださいね」とか、「この場では直接オーナーに交渉とかしないでください」とか、一見すると小言みたいなアドバイスをお客さんにお願いすることもあります。

信頼関係において印象って本当に大事で、内見での立ち振る舞いとか、挨拶をする/しないとか、小さな積み重ねが印象を作る。だから、僕自身もお客さんに対しても、オーナーに対しても、どう立ち振る舞うか気合い入れて案内しています。

尾崎:

逆に、仲介がしっかりオーナー側と関係を構築できているから、信頼して審査してくれるってパターンもあるくらいだもんね。「ヒトカラ尾崎さんが連れてくるお客さんなら、大丈夫だよ」って言ってもらえたときは嬉しかったな。ま、それはそれでも、もちろん審査はあるんだけどね。

三川:

そう言ってもらえるって、仲介冥利に尽きますよね。そして、そう言っていただける関係値がどれだけ多いかで、お客さんのその審査の通過率にも繋がる。

谷川:

実績も多くなってくると、オーナー側から「何かリーシングの観点的にアドバイスがほしい」っていう連絡が来ることもありますもんね。

ヒトカラメディアは仲介だけじゃなくて設計も工事もやっているから声を掛けてもらえやすいってのもあると思うんですけど、こっちとしても提案しやすい状況が作れるので嬉しいし、こういう事例も増えてはいるんじゃないかな。

三川:

自社施設の運営とか、ビルのバリューアップとか、内装付きのオフィスを手掛けていることをオーナーさんも知ってくれていることが多いから、「どうやったら紹介しやすいですか」みたいな感じでいい条件出してくれることもあるもんね。

こういう話をしていると、やっぱり仲介のプロとなると、自社も他社も巻き込んで、最高のサービスを提供するっていうスタンスが必要な要素かなと思ってるんですね。社内外にちゃんと味方をつける。特にヒトカラは内部に強い味方がいっぱいいるので、そこは何か前職のときと違ってやりやすいです。

仲介という仕事の面白さとは?

ー では、最後に3人にお聞きします。仲介の面白さとはなんでしょう?

三川:

これ、ヒトカラメディアにジョインするきっかけの1つだったんだけど、街の雰囲気を作り上げる仕事だなと思ったんだよね。

五反田にベンチャー企業が集まるようになって「五反田バレー」って言葉とともに界隈が盛り上がった。この仕掛け人としてヒトカラメディアが動いていたって記事を読んで、「仲介が企業をリードすることで、街の雰囲気って変わるんだ、すごいな」と思った。

その影響範囲とか面白さ可能性っていう点で言うと、人を送り込むことで街の雰囲気が変わるっていうのは、仲介ならではだなって思ったな。

谷川:

僕は、わりと仕事とプライベートはてきっぱり分けてるタイプなんですけど、プロジェクトで関わったお客さんからふわっとした連絡が入ることがあって、こういうの面白いなと思いますね。

いい意味で「都合のいい人」っていうポジションを取れているんでしょうね。とはいえ、自分はへつらわずに対応するのがモットーなんですけどね。

三川:

でもそれで連絡来てるのが面白いですけど(笑)

尾崎:

自分は、リピートのお客さんが多いこともあってか、人の人生に携わっている感覚があるんだよね。

企業が成長してどんどんステージが大きくなるのと合わせて、経営者さんや担当さんのライフステージも変わっていって。そんななかで、たまに自宅の仲介もお手伝いすることもあるんだけど、そういう関係値って、はたから見るとメチャメチャ濃い。

だからこそ、お客さんに相談しやすい環境をつくれたり、オーナーさんに安心を届けられたりできる。自分以外の人生を見せてもらっている感じで、これは仲介の特権だな、って想いますね。

三川:

語っているところ、スガシカオの曲が流れそうですね(笑)プロフェッショナルなだけに。

編集後記

三者三様の仲介フロントメンバーで、仲介営業のスタンスやモチベーションの持ち方もそれぞれでしたが、表面的な情報に頼らず本質的な提案のために工夫するスタンスは共通していました。

また、「ビル管理業務側の視点にたったオーナー提案」や、「設計/工務店チームとの連携による高い提案クオリティ」といった、ヒトカラメディアのサービス展開を活かしたアクションも、仲介営業の強みになっているようです。

営業スタイルも考え方も個性豊かなメンバーが揃うヒトカラメディア。ぜひ「なかなか要件を言葉にできないんだけど、ドンズバな提案がほしい」という方は、お声がけください。しっかりサポートいたします!

編集:ヒトカラメディア編集部