月に一度、働き方おじさんこと「やつさん」が夜な夜な開催する「居酒屋やつ」。 働き方というキーワードに誘われ集まったメンバーに、あれこれ問を投げかけます。 今回は、2021年1月の緊急事態宣言を受けて、世の中はどう動いているのか?前回と何が違うのか?というのが今回のトークテーマです。これを、「前回と一緒だよね」って受け取ってしまうと勿体ない、とやつさん。 この1年でどう変わったかを振り返る夜が始まります。
ヒトカラメディア
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1年前と前提が全然違う。リモートの中、どう組織を良くするか、が論点になってきている。
― 「この1年で何がどう変わったのか」というトークテーマですが、1月の緊急事態宣言は、またしても世の企業に対して大きく影響を与えているよ、ということなんでしょうか?
まぁまぁ……とその前に、まずは現在位置の話からしましょうか。

1年前、緊急事態宣言は「急に」来ました。この緊急事態に対して、世の企業は「最低限、仕事止めないように。リモートでもどうにかしようぜ」っていうふうに考えてました。
基本はオフィスの方がいいよねって思ってたんですね、一時的にリモートするのも許容しなきゃ、とね。みんなリモート経験スキルがあるわけではないし、コロナもどんだけヤバいかわからない。こういう前提だから、結局のところバタバタと動かざるえなかった。
― 当時は、なんとかこの場をしのごう、という雰囲気でしたね。
今は、1年前と前提が全然違います。みんな「ZOOMってなにですか?」「TEAMSわかりません」という感じでバタつかない。リモート経験も積み、コロナの情報も毎日目にするようになったんですね。
2021年1月の緊急事態宣言を受けての企業の動きを見ていると、緊急でどうにかしなきゃっていうよりは、「リモート併用しながら組織自体でうまく運営していかないとぶっちゃけ潰れるよね」っていう動きをしているように見えます。
具体的には、年明けあたりから「リモートの中で、どう組織を良くするか」という方向にニュースの内容がシフトしているんです。
そして、コロナも3波までくると4波も来るかもなっていう心構えもある程度できていると思います。いまの緊急事態宣言が終わっても、またあるかもしれない。そういう見通しで、働き方をどうするか、っていう論点が生まれているのが現在位置ってことですね。ここまではオッケーですかね?
― はい!たしかに、また今後も緊急事態宣言が起こるかも、とも思う節があります。
オッケー。では、具体的な話をしましょう。
僕が冬休みに整理した、この1年を通して気づいた5つの要点「コロナファイブ」を紹介します。
①リモートワークの手応え、仕事に影響すること/しないことの一新
1つ目。「リモートワークそこそこいけるぞ、という手応えを得た」です。

まず、「紙」「はんこ」「電話」「 FAX」「 スーツ」「飲み会」が無くても仕事は回るんだ!いうことに気づいてしまった。なんと消防署に提出する書類のハンコもいらなくなったんですよ。あんなに丸印押せって言ってたのに、びっくりですね。
椅子が大事だという気づきもありました。これは、リモートワークを経験した人は皆少なからず実体験を通して思うところがあるかと思います。
また、リモートワークを通して仕事に家族が影響するようになりましたね。子供の事情で家にいなきゃいけないとか、逆に家にいたらやりにくいとか。オフィスに出社してたら関係なかった家族のことが、職場の日頃の話題の論点になるようになりました。これは面白い気づきです。
もしかすると、これだけに留まらない気づきがある人もいるかもしれません。
こういう小さな気付きや手応えが、働く場を考えるアイデアにつながります。働く場を考えようというときに、こういった「手応え」を問として投げかけると、いろいろな気付きを芋づる方式で引き出せるな、と思っています。
②ZOOM浸透による、身近になったDX
2つ目。急に身近になった DX(デジタルトランスフォーメーション)です。

分解すると、「EX(従業員体験)」と「CX(顧客体験)」を、デジタルをつかってどのように変化させ、活かすか、という話です。
まず、EX(従業員体験)の変化の例。
商談をZOOMで行うようになった。移動時間が必要ないものだから、1日のうちに凄い数の打合せを入るようになってきたんですよね。
― たしかに、1日で5〜6の打合せをすることも珍しくないですね。
そうなんです。正直、今までのスタイルとは別次元のものになりました。倍速で打合せが行わるようになったけれど、これからはこの状況を上手く乗りこなさないといけません。
CX(顧客体験)の変化の例だと、イベントや研修がありますね。
間口が一気に広がりました。今や、場所も関係ないし、子育てで子供と隣にいてもイベントや研修に参加できるようになりました。この前の勉強会では、海外からの参加者もいました。オンラインでやってなかったら箸にも棒にも引っかからなかった人が一緒に参加できるって凄い良いなぁと思います。
「今までと同じやり方をデジタルでどう実現するのか」という考え方もありますが、それよりもデジタルを入れることで可能性が広がっちゃっている現状があります。
この状況を取り込むスタンスを忘れちゃうと、乗り遅れちゃうよ、と言うぐらい、ZOOMがが浸透してしまったということですね。
③どこで働くか、働く環境を選ぶのがスタンダードになった
3つ目。働く場所を選ぶようになりました。

ABWというレベルではなく、どこでその日を過ごすか、どの日どこで働くか、ということを考えることが普通になりました。
これは実際の話、17時に客さんで浜松町でオフライン打合せが決まったら、朝10時から浜松町にいないといけない、という状況も生まれます。その間、トイレに行く暇も無いくらい、会議が詰め込まれていることもありますよね…。
― これは……ZOOMあるある!そして、スケジュールがだんだん押していく……(苦笑)
これに紐付いて、こんなことも出てきましたよ。「ワンルームで同棲していて在宅ワークしているんだけど、リビングでZOOM被りしてしまったから、ベランダからZOOM参加してます」という事例です(苦笑)。
働く場所というとオフィスの設計だけをしてればよかったんですけど、オフィスじゃないところでも働くようになったとので、働く環境を企業だけでコントロールできない、という要素が出てきたワケです。
だって家は大前提としてプライベートの場所で、仕事場ではないですから。とは言え、在宅ワークがあると、家の環境も整っていないと仕事が上手く回らなくなってきている。こういうテーマが生まれて、これから向き合っていかないといけない。というのが面白いですね。
④アポを取らないと相談できない。藁を掴むためのサバイバルスキルが必要に。
さあ、4つ目です。アポをとらないと相談もできない。結構シビアな状況が生まれてしまいましたね。

オフィスにいたら、ちょっと声をかけてもらえれば解決する内容なのに、「ZOOMしていいですか?」となってしまう。
わざわざカレンダーで予定を押さえなければ、ちょっとした相談もできなくなってしまった現状がある。今年の新入社員は大変ですよ、ほんと。
― 声を掛けづらそうにしている雰囲気を、感じ取れなくなりましたよね。だから、こちらからも声をかけてあげることができないっていう。
とはいえです。「ちょっとした相談」をないがしろにすると、解決しない問題がチリ積もとなり背負い込んでしまう形になってしまう。マネージャーは、メンバーをどう救おうかと考えなきゃいけない。メンバーはどう藁を掴むかというサバイバルスキルが必要になりました。
⑤一見うまくいっている現場と、本質的に求める組織状態とのギャップにモヤモヤ。
最後、5つ目。リモートワークによるマネジメントをどうするか、という話です。
これは4つ目の話との関連もあります。ずばり、仕事の状況が見えづらくなったんですね。

仕事状況の確認をすると、メンバーからは「まあまあいい感じですよ」って報告がくるんですよね。ただそれはマネージャーから見ると、まあまあ困ってますっていう風に見えている。
― 両者に認識にギャップがあるってことですね。
そもそもマネージャーは仕事の中で人を育てつつ、新しい要素をうまく取り入れて、仕事自体をバージョンアップしていかなければいけません。
そのためにまず、メンバーを育てる上で目標設定をする。組織として注力するべき点を加味しつつメンバーの期待値調整をする。メンバーが仕事を理解できる、モチベーションを高められる、っていう風に受け止められるよう調整する。マネージャーが担うこれらを、いままで些細なコミュニケーションの中で汲み取ったり、フィードバックしていたんですよね。
アウトプットについても、文言をちょっと直したり、提案のレベル上がるように加筆修正したり。仕事終わればそれでうまくいってるか様子を見ながら、効率よくできるとこないかなって探して、また次のアサインに向けて考える。やっていることを細分化すると、結構なことをやっています。これらが、会議という場だけではやりきれない。ということなんですよね。
― さりげなく発生していたコミュニケーションがなくなった影響は大きいですね。
そう。ただ、リモートだろうと組織として、マネージャーに求めることは変わりません。案件こなしながらレベルアップして、組織としてメンバーの育成して、お客さんの提供価値も少しずつ増やせてる状態を求めます。
この、一見うまくいっているように見える現状と、本質的に求めている状態のギャップに、モヤモヤしている。こういう状況が起きている現場は少なくないでしょうし、この1年経験してきたから、このモヤモヤを感じ取れるようになってきたんじゃないかと思います。
コロナファイブに向き合い言語化することで、改善の工夫を考えていかなければいけない
さて、以上5つが、コロナファイブです。

コロナ関係の質に影響されそうな記事を日々ストックしていまして、今では600ぐらいの記事が集まりました。それらを冬休みの間で見返していると、秋ぐらいから楽観論じゃなくなってきている傾向があることに気づきました。ざっと時系列で傾向を見てみると…、
春ごろは、「リモートでもいけるじゃん」ていう楽観的な記事が多かった。
秋ぐらいから、「鬱」とか「組織がうまくいってない」っていうワードが、記事が出始めてきました。
年明けからは、また傾向が若干変わって、「今後も緊急事態宣言がでたり、オフィスでクラスターが発生したりする可能性がある。ただ、リモートを前提とした中でも、どうにかしていかなきゃいけない」っていうテーマが増えているなと感じています。
― なんだか、現状を受け入れて進まなければいけない、という覚悟めいたものを感じます。
ですよね。要は、「リモートうまくいくじゃん」という楽観的な感覚だけでは、後先が危うい。ちゃんと考えていかないと、組織はどうなっちゃうんだろうというモヤモヤが膨れていくだろう、ということです。

このような気付きやモヤモヤを言語化して、改善するためにためにどういう風にしていきましょうか、っていう工夫を考えていかなければいけないですね。
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