PROJECT
2023/12/15
凝り固まった導線を解きほぐし、 500坪超の巨大ワンフロアを活気づけるリニューアルプロジェクト
コロナ禍を経て、ハイブリッドな働き方をますます加速させるべく、約500坪の広大なワンフロアを全面リニューアルすることを決めたキュービック社。凝り固まった導線をほぐし、多様な社内コミュニケーションを実現するために練り上げていったプランとは。
ヒトカラメディア
プロジェクトメンバー
1. HOWに閉じないオフィスづくりと働き方

▲株式会社キュービック ピープルエクスペリエンスオフィス・PRチーム 小笠原舞子 様(左)、エクスペリエンスデザインセンター・インターナルコミュニケーションチーム 市原 純 様(右)
――まずはじめに、今回のオフィスリニューアルを計画された背景について教えてください。
キュービック・市原純様(以下「市原」):ここのオフィスはもともと居抜きだったのですが、コロナ禍を経て、オフラインとオンラインを組み合わせたハイブリッドな働き方を本格化させていくにあたって、僕らの働き方にちゃんとあった空間にしたいよね、という話が出てきたのが最初のきっかけです。ワンフロアではあるんですが、コの字型になっていることもあり、右側と左側で分断されて別々のオフィスみたいな空間になっていました。かつ、固定席だったので導線が凝り固まっていて、コミュニケーションを取る人も限られていたし、部署を跨いだ連携がなかなか生まれにくかった、というのが大きな課題としてありました。
ヒトカラメディア・小島亮(以下「小島」):移転やレイアウト変更のご相談をいただく時って、座席がいくつ、会議室がいくつ必要で、デザインはこんな感じをイメージしていて・・・というハード的な要件からいただくことが多く、新しい空間でどんなことを起こしたいとか、組織やコミュニケーションの課題をどう解決していくのかという話は、置いてきぼりになることもあるんですね。でも、僕らはいつもそこを大事にしているし、そのための空間だと思っていて、キュービックさんもそういった考え方をされていたので、コンペの時から勝手に親和性を感じていて、ぜひご一緒したいと思っていました。

キュービック・小笠原舞子様(以下「小笠原」): HOWに閉じないという姿勢は、私たちが普段の仕事から心がけていますね。これをやることで何を成したいんだっけ?とか、大事にしたい本質を常に真ん中に置いて、そのために必要な手段を考えていくようにしています。
市原:今回、ヒトカラさんからご提案いただいたプランも、ハードや空間をどのように変えるかということよりも、変えることで“どんな体験ができる”とか“どんな成果を得られるか”という内容だったので、僕らの目的を一緒に果たせそうだなと思ってお願いしました。
2. ロッカーの位置から、導線とコミュニケーションをデザインする

――空間デザインについても伺って行きたいのですが、一見分かりにくいところで言うと、ロッカーの配置に工夫があるそうですね。
ヒトカラメディア・廣野雄太(以下「廣野」):はい。固定席からフリーアドレスにした場合、やはり個別ロッカーが必要になってきますが、今回はあえてフロアの真ん中1ヶ所にロッカーを集中させました。朝と夕方、ひとつのロッカーを皆さんが経由することで普段なかなか顔を合わせない人と偶然会ったり、会話をしたりするきっかけになればと思いました。そういう偶発的なものを大切にしたくて、ちょっと大変でしたがなんとか真ん中に置かせてもらいました。

小笠原:これまでは、自分の席に近い入口から入ってそのまま自席に直行して、そのまま自席から帰るだけだったんですね。それが、リニューアルしてからはロッカースペースでいろいろな人たちと会うようになって「なんか久しぶり!」とか「最近どう?」など、ちょっとした雑談が生まれている気がしますね。
2. ”会議室が足りない問題を”部屋数を増やさず解決する方法

小笠原:“会議室が足りない問題”が解消されたこともすごく大きいですね。でも、会議室の数自体はそこまで増えていないんです。それが驚きですよね。会議室以外で会議やちょっとしたミーティングのできるスペースがあちこちにできて、それがとても良い仕事をしているんです。私は、会議室エリアの入口にある待合スペースが好きです。会議室を出なきゃいけない時間なんだけど、あと5分だけあれば!とか、これだけ決めちゃいたい!みたいな時にこの場所がとっても使えるんですよ。変わったのは会議室の効率だけじゃないと思っています。

――今回は内装デザインだけでなく、プロジェクトマネジメントもヒトカラメディアが担当しましたが、全体を滞りなく進めていくにあたって一番苦労した点はどんなところですか?
ヒトカラメディア・今井司(以下「今井」):そうですね、今回は時間があまりない中、何か1個落ちると全体が崩れていくっていう状況をコントロールしながら進めるのが一番大変でした。ビルの制約が多く、ステークホルダーも多いうえに内装工事中の仮オフィスとしてサテライトオフィスも借りていたので、調整させながらだったので。

――コスト管理の面ではいかがでしたか?
今井:キュービックさんの意思決定のスピード感もあり、お陰様でそこはとてもスムーズでしたね。今回に限らず、プロジェクトを進めていくうちにお互いにやりたいことがいろいろと出てくると思うんですが、それを一度見積もりとして算出しつつ検討したり調整したりする時間をちゃんと確保しながら進めることができたのはよかったと思いますね。
市原:僕らはPMなしでオフィスリニューアルをした経験はないので比較はできないんですが、こちらの知見や知識がない領域で、“何をいつまでに決めなくてはいけないのか”というのをちゃんと管理して進捗してくれるプロジェクトマネージャーという役割はとても大切ですし、今井さんがいなかったら多分1年経ってもオフィスは出来上がっていなかったと思います(笑)。自社だけの力では100%無理でしたね。
廣野:プロジェクトマネージャーとプランナー2名体制で取り組むことで、キュービックさんにも働き方や内装デザインについて検討いただく時間が十分確保でき、プランナーとしても短期間ながら細かい部分まで検討できたと思います。“出社したくなるオフィス”のカギは、程よい雑音?
4. ”出社したくなるオフィス”には程よい雑音が必要?

――リニューアルが完了したばかりですが、オフィスやメンバーの変化は何か感じていらっしゃいますか?
市原:日中の雰囲気は明らかに違いますし、自分のオフィスの使い方もかなり変わりましたね。1日の中で気分や作業内容に合わせて働く場所を2、3か所変えたりしています。あと「このオフィスってこんなに広かったっけ?」というのはすごく感じます。
小笠原:毎日出社していても飽きないですし、出社したくなる感じがありますよね。どこがどうだからというのはまだ上手く説明できないんですが、働く場所が選べて集中したい時は集中できる空気があるから、効率を考えても出社した方が良いんじゃないか、となっているのかもしれないですね。

市原:僕としては、程よいザワつき感が集中しやすい理由になっているかもしれないです。以前は、フロアの一部は賑やかなんだけどその他のスペースはめちゃくちゃシーンとしている感じだったんです。今はフロア全体が程よく活発で、雑音や雑談があってガヤガヤしている感じがちょうどいい。今はまだ引越し後の高揚感が皆あると思うんですが、ここから3ヶ月、半年と経過していってどんなオフィスになるのか楽しみですね。
小島:そうですね、ここからどんなふうに馴染んでいくのか楽しみにしています。今回、オフィスが完成した際にオフィスツアーを開催させていただきましたが、その時に皆さんがアイデアをいろいろ出してくださったように、「ここでこんなこと出来るんじゃない?」とか「これはあっちに動かすとちょっと変わるかも?」とか、皆さんが自分たちらしい場所にしていけるような “余白”をあえて残しているつもりです。悲しいかな、僕たちはここで働くことができないですし、主役はやっぱり皆さんなので、僕らの思いや想像を超えて、この空間をどんどん使い倒していって欲しいなと思っています。

編集/ヒトカラメディア編集部
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