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2024/11/21

働き方まで変わる! オフィスのレイアウト変更Before&After

オフィスの内装や配置をリニューアルし、オフィス空間を蘇らせる方法がレイアウト変更、通称「レイ変」です。レイ変を行う目的やその内容は企業ごとの現状の働き方や目指したい状況、課題によってさまざまですが、移転をせず、レイアウト変更だけでオフィス空間、そして働き方はどこまで変われるのでしょうか。ここでは、ヒトカラメディアが最近手がけたレイ変の事例を交えながら、担当プランナーにレイ変が持つ可能性や気を付けるべきポイントについて訊いていきます。

1. 通常業務を続けながらのレイアウト変更【伯東株式会社 様】

担当プランナー:菊地 佑磨

“いながらレイ変”の肝

できる限り通常通りの業務を続けたい、簡単に研究は止められない、ということもあり、今回の伯東さんのオフィスリニューアルは、いわゆる“いながらレイ変”で行いました。でも、週末だけの工事だと工期が長引いてなかなか終わらなくなってしまうので、平日にお客様の業務を妨げずにいかに工事が進められるかがポイントで、工事をお願いする業者さんとの細かいスケジュール管理や進行管理が大きな肝になってきます。
ヒトカラメディアにはオフィスの移転やレイ変を専門にしているプロジェクトマネージャーがいますし、今回の施工にはグループ会社の「ヒトカラ工務店」に入ってもらい、最強の布陣で臨みました。
ヒトカラ工務店のメンバーが現場に常駐しながら工事を進めていたので、現場で何か問題や変更が起こったらすぐに対応し、僕やプロジェクトマネージャーと常に連携を図りながら進められたことが、今回スムーズに進められた一番の理由だと思います。

レイ変は予算とスケジュールとの闘い

レイ変をする際の内装作りは、オフィス移転を伴う場合と比べるとあまり予算を避けないケースが多いですが、ただ新しく、キレイになっただけでなく、レイ変したことで会社の事業や働き方に何かポジティブな影響が与えられたらいいなといつも思っています。
伯東さんのこの拠点には、研究室がいくつもあるのですが、今回は研究室を使っている方にアンケートを取らせていただいて、各部屋のテーマカラーを決めてもらいました。その色をアクセントカラーとして、扉や壁、ダクトなどにランダムに配置していきました。入り口のドアにテーマカラーが示してあって、扉を開けるとその色が広がるようになっています。以前までは少し無機質だった空間にいろいろな色が入ることで明るい印象にもなりましたし、「オレンジの実験室」「黄色の研究室」などのように、使う人が呼ぶようになることでさらに愛着が湧いたらいいなと思ってデザインしました。
今回のレイ変で一番変わったのがビルのエントランスです。ここから全国に、そして世界に、伯東の技術や成果を発信していこう、という意味を込めて波及していくような波のデザインをエントランスに取り込みました。ここも予算との戦いでしたが、当初想定していた素材やデザインを見直したりしながらなんとかイメージ通りに仕上がったと思います。

“空けてびっくり”がレイ変の落とし穴

レイ変が難しいのは、実際に工事が始まってから“空けてビックリ”みたいなことがよく起こるところです。古い物件だと、図面が残っていなかったり、残っていても現状とかなり異なることもめずらしくないので、工事が始まって、いざ壁を壊してみたら図面と違った・・・みたいなことがまぁまぁ起こります(苦笑)。それによって工事のスケジュール変更を余儀なくされたり、想定外のコストがかかってしまうこともあります。レイ変には移転を伴うオフィス内装とはまた違った緊張感が付きものですが、“いながらレイ変”の場合はお客様が現場の近くにいますので、常に状況を共有し相談しながら「同じオフィスなのにここまで変わった!変われた!」というのを一緒に体験できたらと思っています。

2. 現在の働き方とオフィスをマッチさせるレイ変【株式会社キュービック 様】

担当プランナー:廣野 雄太

固定席を撤廃し、全面的な配置変えを実施

キュービックさんは、このオフィスにもともと前のテナントの内装や什器を引き継いで入居されたのですが、コロナ禍を経て働き方が変わり、今の働き方とオフィスがマッチしなくなってしまった、というのがレイ変をされる大きな理由でした。
図面を見ていただくとわかる通り、レイ変前のレイアウトは昔のオフィスによくあるようなデスクの島が規則的に並んでいる配置でした。さらに、以前は固定席だったものの、コロナ禍を経て出社とリモートワークを併用したハイブリッドワークが中心となり、空席が多くなり、出社してもメンバー間のコミュニケーションが増えず、抜本的に変えなければいけない、という危機感がありました。

[ Before/図面 ]

[ After/図面 ]

全面的に配置を変え、動線や働き方までアプローチする

私たちが提案したのは、執務エリアが大きく東西に分かれていたところを、見通しよく一体感が生まれるようなゾーニングに変更しました。また、デスクの配置や使い方を多種多様にして、スペースの至るところに小さなミーティングスペースをいくつも用意するデザインでした。ワンフロアの執務空間の中にステージのような大きなミーティングスペースがあったり、カウンター席もあって、いつ来ても、オフィスのあちこちでミーティングが行われていて、それを感じながら自分の仕事もできるような活気ある空間が作れたらと思いました。
また、ロッカールームをあえて真ん中の一箇所に集中させることで、出社時には普段はなかなか顔を合わせないようなメンバーとも偶発的に話せるような動線を作りました。
島型の配置は残しつつ、大きなラウンジを新設してそこでのコミュニケーションを促す・・・という提案もあり得たとは思うのですが、やっぱり執務スペースの配置を全面的に変えない限りは働き方の変化までアプローチできないと思っていましたし、思い切ってこのレイアウトにして良かったといま改めて思います。

3. 自社の改革方針を共有するためのレイ変【渋谷レックス株式会社 様】

担当プランナー:江川 郁美

企業の方針/方向性をオフィスでも表現する

渋谷レックスさんは福島の歴史ある企業なのですが、事業の主軸にされていたお菓子の卸売業だけでなく、小売業や海外展開など、今後さらに新しい事業を加速させたいという思いをそもそもお持ちでした。そのために全社員の職種を総合職に変更されたり、本気で取り組んでいこうとされているなかで、古いままのオフィスとの間に強いギャップが生まれてしまっているような状況でした。渋谷社長が「新しいことをどんどん仕掛けていくという思いをオフィスでも表現したい」とお話されていたのを覚えています。

リニューアルしたオフィスが、社内の空気まで変える

このレイ変の最大の特徴は、渋谷レックスの皆さんと進めていったというところだと思います。そもそもプロジェクトのスタートは、バックオフィスの女性社員の方2人が、Excelを駆使しながら何とか作成した図面が元になっています。その時からフリーアドレスにされたいというご希望は伺っていたのですが、そもそも「このオフィスリニューアルで何を実現したいのか?」「そのためにフリーアドレスって本当に必要?」ということが言語化されていなかったので、そこから私たちがご一緒させていただき、全社員を対象としたワークショップを積み重ねながら深掘りをし、一緒に正解を見つけていきました。その結果、キッチンカウンターを作ることになったり、ワークショップを経て生まれた言葉が会社の中長期ビジョンになったりして、このレイ変を通して新しい空間だけでなく、さまざまなものが生み出されていったように思います。
オフィスリニューアル第二弾として、今ちょうどビルの2階のレイ変も行っている最中なのですが、初めて渋谷レックスさんにお邪魔した時と比べると、皆さんの雰囲気が変わっているような感じがするんですよね。オフィスでの会話がすごく増えた、という嬉しい報告もいただいているんですが、空間に引っ張られて明るくなられているようで、それもレイ変の大きな成果だなと思ってすごく嬉しいです。

まとめ:良いものは引き継ぎながらアップデートをしていく

レイ変は、これまで使っていた家具や什器を引き続き使用するというケースがほとんどなので、今あるものを生かしつつ、どうリニューアルさせるか・・・ということで、プランナーのアタマは常にフル回転です。オフィス移転を伴うケースで、イチから組み立てていく方がラクなんじゃないかと思う時もあります(笑)。
でも、レイ変の場合は、すでにそこで何年も働いていらっしゃる方がいて、それぞれに思いや思い入れがあるので、それを聞いて周りながら「どれを引き継いで、そこに何を足していけばいいか」を考えるのは、私は好きですね。イチから組み立てていく時以上にたくさんの引き出しが必要になることもありますが、良いものはきちんと残して引き継ぎながら大幅アップデートできるような、そんなレイ変ができたらいいなと思います。


取材・文/ヒトカラ編集部