PROJECT
2024/10/17
急成長を受け止められるオフィスづくり。 刺激を与え合う場所を目指して、インナーブランディングにも活かしたAntway社の移転プロジェクト
”あらゆる家庭から義務をなくす”というミッションを掲げ、家庭料理の宅配サービス「つくりおき.jp」を運営している株式会社Antway社。過去3年間で従業員が約2倍に増加している同社は、今年9月に本社を御茶ノ水駅近くに移転しました。さらなる事業拡大を見据え、今回の移転プロジェクトでは、会社が大切にしてきたバリューと未来に向けたテーマを新オフィスのゾーニングやデザインへ最大限に反映させています。単にオフィスを引越すだけでなく、移転プロジェクトを従業員の思いや自分たちらしさを確認する機会としても活かしたかったと語る今回のプロジェクトを、ヒトカラメディアのプランナー・廣野と共に振り返ります。
ヒトカラメディア
プロジェクトメンバー
1. 強いコンセプトが導くオフィス移転プロジェクト
――オフィス移転を検討するにあたって、旧オフィスではどんな課題があったのでしょうか?
Antway・大浦千絵里様(以下「大浦」):以前のオフィスは同ビルで2フロア使用していたのですが、ここ1〜2年で従業員数が倍になり、フロアが分かれていることによるコミュニケーションのロスが問題になっていました。さらに会議室が足りない、休憩エリアがないなどの細かな課題もあったので、会社としても「そろそろ移転する必要がある」となったんです。オフィス移転の効果は、採用に関しても非常に大きいなと思っています。当社の経営においてこの1年半ぐらい採用は重要なマターなので、 移転をきっかけに今まで以上に採用も加速させたい、といった思いもありました。
▲株式会社Antway ヒューマンリソース部 大浦 千絵里 様(左)、ヒューマンリソース部 部長 須田 智徳 様(右)
――ヒトカラメディアからの提案は、どういったところを評価していただいたのでしょうか?
Antway・須田 智徳様(以下「須田」):オフィス移転のコンセプトはこちらで大枠は考えていて、 ヒトカラメディアさんと最初にお会いした時に「こんなふうにしたいんです」というお話をしました。その1週間後ぐらいに最初のご提案を受けたのですが、「もうここまで考えてくださったのか」と驚くレベルのものが上がってきたんです。すでに今のオフィスのレイアウトとそれほど変わらないレイアウトがひかれていて、本気度が感じられました。
大浦:タイトなスケジュールの中でしたが、非常にテンポよく、こちらが求めた1、2歩先のご提案をいただけたことで、一気に心をつかまれましたね。
ヒトカラメディア・廣野 雄太(以下「廣野」):ありがとうございます。最初の打ち合わせから「新オフィスのテーマについては、すでに固まったイメージがありました。また、旧オフィスでの課題もすでに要約されている状況で、予算も明確にされていたので、提案の方針は立てやすかったです。短い期間の中で、コンセプトを軸に、Antwayさんが目指す働き方を実現するにはどうしたらいいんだろう・・・と考えていくのはすごく大変な作業ではありましたが、ヒトカラメディアらしいプランを立てることができたと思っています。
2. 会社のバリューとオフィスゾーニングをリンクさせる
――須田さんはどういった思いから「Nest」というコンセプトを立てたのでしょうか?
須田:当社においては今回が初のオフィス移転だったので、Antwayらしさはしっかり盛り込みたいと最初から思っていました。社名がAnt-wayで”蟻の道”だから、オフィスを蟻の巣のように作れたら面白いのでは?というところから、英語でアリの巣を意味する「Colony」や「Nest」という言葉が出てきました。蟻の巣のようにいろいろな機能が1つに集まっているイメージでオフィスを作れたらユニークではないかと考えました。
廣野:アリの巣のような各ゾーンの繋がりがあり、最終的には一体感をもたせるようなレイアウトをご提案させていただきました。回遊的なレイアウトでコミュニケーションのポイントを増やしつつ、今後のAntway様の成長に合わせて可変できる余白を残すことも意識しました。
――オフィスのスペースと会社のバリューと紐付けているところがまた良いですね。
須田:廣野さんとご相談するなかで、これから会社がますます拡大していくにあたり、自分たちがこれからも大切にすべきことを日々の業務の中で感じられたり、改めて確認できることがやっぱり大事だと思いました。Antwayはもともとバリューをとても大事にしている会社で、 何事にもオープンにとらえてきたからこそ、オフィスもそうあるべきだと思いました。
――オフィスの中央部分に「BEYOND」という呼ばれているスペースがありますが、これはバリューの中にはないワードですよね?
廣野:そうですね。今回のオフィス移転を進める中で生まれた言葉です。今あるバリューだけでなく”次に目指すところ”も何かオフィスの中で表した方がいいんじゃないかという話があり、以前からバリューとして掲げている「OPEN」「TRY」「HEALTHY」という言葉に加えて、オフィスの中心のステージのエリアを「BEYOND」という名前にしました。名前がついていると、行動自体が自然とそれに寄っていくのではないでしょうか。
須田:最近、Antwayではよく「超成長開始」という言葉が使われていて、普通の成長ではなく非線形を描くような圧倒的な成長を目指しています。新オフィスはそんな”超成長”を実現する場所でありたいと思っていましたし、その思いを落とし込める言葉が何かないかな、とずっと考えていました。そうしたところ”超える”という意味の「BEYOND」が良いのではないかとなったんです。同時に、新オフィスのレイアウトを決めていく中で段差が一段上がったステージを作ることが決まったので、そこを「BEYOND」として、皆が発表したり全社に向けて発信しながら”超成長”を実現していく出発点になればいいなと思いました。
3. オフィスでの時間や出来事をオモシロがりながら、インナーブランディングに活かしていく
――新オフィスへの引越しの際に、床に敷いたカーペットの裏に『このオフィスで実現したいこと』を書くというワークショップを行ったそうですね。そのアイデアはどういったところから出てきたのでしょうか?
須田:ヒトカラメディアさんが手掛けたプロジェクトでは、社員を巻き込んだワークショップをよくやられていると聞いて、ウチでも何かやりたいなと思っていたんです。予算の関係もあり、カーペットタイルを敷きつめる作業を自分たちでやることになり、せっかくならその作業を楽しんでしまおう! と思いついたものです。
廣野:とても良いアイデアでしたし、盛り上がりましたよね。今後、新しく入社される方にもぜひ書いていただきたいです。新しいオフィスだけど、自分たちの手を加えると、愛着につながりますしね。採用広報ご担当の森田さんが「移転プロジェクトでは社内広報や採用人事に効きそうなことをどんどんやっていきたい」とお話されていましたが、それにも繋がったと思います。
大浦:今までスペースが狭かったので、全員で何かをするのが物理的に難しかったんです。それが今回、普段は別の場所で働いているテストキッチンのメンバーも含めて全員が集まり、足並みそろえて同じ作業をすることができました。普段はリモートで働いているメンバーも多いのですが、お互いに「そんなこと考えていたんだ」と気づくこともたくさんあり、ここ数年で1番いいイベントだったかなと思っています。
▲株式会社Antway ヒューマンリソース部 森田 由梨子 様
――最後に、新しいオフィスで実現したいことを教えてください。
Antway・森田由梨子様:新しいオフィスでは壁やパーテーション等でゾーニングに明確な線引きをしていないんですね。エリアとエリアが重なりあっているのもウチの会社らしいかと思っています。それを上手く活かしながら、バリューに立ち返りつつ「ここでこういう試みをしているなら、こっちではこんなことをしてみよう」とか、それぞれが刺激を与え合いながら過ごせるオフィスになったらいいなと思っています。
須田:今は移転して間もないこともあり、対面コミュニケーションの機会が増えていて社内に活気があるんですね。でも、これから時間が経つと、オフィスの席や使い方が固定化したり、エリアにはそれぞれ名前をつけていますが、名前と働き方がリンクしなくなったりしていく可能性があります。そうならないように、日々オフィスでの出来事や使われ方を拾い上げ、面白がりながら社内に発信し、活気のある今のうちから次に繋がる施策をどんどん行っていきたいですね。いろいろ試しながらではありますが、自由に、フレキシブルに、私たちらしくこのオフィスをより良くしていきたいと思っています。
取材・文/鈴木はる奈
ヒトカラメディア
プロジェクトメンバー





