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2022/11/21

「働きがいのある会社」認定企業のサイバーリーズンが、新オフィスで実現したこと

AIを活用した企業向けサイバー攻撃対策プラットフォーム EDR(次世代エンドポイントセキュリティ)をはじめとしたセキュリティサービスを提供する、サイバーリーズン合同会社様のオフィスをご紹介します。

Great Place to Work® Institute Japanから「働きがい認定企業」に複数回選出されているサイバーリーズン合同会社様がコロナ禍を経て考える、オフィスの役割、出社することの意味とは?

外資企業ならではのカルチャーの影響や、アメリカ本社との交渉など、見どころ満載のプロジェクトを空間レビューと共に振り返ります。

【空間レビュー】オフィスを働く場として選んでもらう、人と人との交差点となるオフィス

東京都中央区京橋。

サイバーリーズン様のオフィスは、高層ビルが建ち並ぶ街並みの一角、1Fにカフェのあるビルの8Fにあります。

EVを降りてすぐ、正面がエントランスです。

六角形のデザインは、サイバーリーズン様のセキュリティープラットフォーム事業を彷彿させるバリアがモチーフ。間接照明で浮かび上がるデザインが、来賓の方々に近未来的な印象を与えます。

エントランスの奥には、ずらっと会議室が並びます。

かなりの部屋数がありますが、ちょうど視線の高さに合わせてスモークがかかったガラス壁が効果的に用いられているため、あまり圧迫感がありません。開放感と機密性が、うまく両立されている印象です。

ちなみに部屋名は、コンピュータウィルスの名前が元になっているのだそう。

目にした名前もちらほらありましたが、大体は聞いたことのない名前でした。この業界の奥深さに少し触れたような気がします。

ちなみに、このような大型のセミナールームもあります。

イベントやセミナーをオンライン・オフラインともに適時開催してるとのことです。

さて、ワークスペースにお邪魔します。

縦にも横にも広がる執務スペース。

落ち着いたカラートーンでまとめられていますが、かなり開放的な空間です。

一番に目につく特徴は、一見ランダムにも見えるデスクのレイアウトでしょうか。

フリーアドレスデスクが交差するように配置され、随所に小さなミーティングテーブルが配置されています。

これは、毎回違う場所に着席できるフリーアドレスデスクの特徴をさらに活かすべく、どこに座っても出社している社員の顔が見えるように、という工夫なのだそう。

たっぷりとデスク幅が確保されているので業務に集中できる一方で、ふと目を上げると仲間と視線があって会話が生まれる。そんなシーンが生まれそうですね。

ちなみに、窓側には昇降式のデスクがあり、気分に応じて立った姿勢で業務をすることもできるようになっています。

執務スペースの隣には、適度にくつろげそうなラウンジスペースがあります。

この大きなテーブルは、実は卓球台。前のオフィスから持ち込んだとか。

以前は、作業テーブルだけではなく、卓球台として現役だったそう。これから社員の出社が増えれば、また卓球したいね、なんて会話が生まれていました。

オフィス移転後もまだまだコロナの影響下ということもあり、ときには出社制限もかかることもあったそう。

ただ、オフィスへの出社率が次第に上がり、活気を取り戻してきているそうです。

これらのオフィスに散りばめられた工夫は、どんな意図や目的をもって配されたのか。サイバーリーズン様にお聞きしました。

引き続き、インタビューをご覧ください。

1.意図的に「場」を作ることで、人が集まるオフィスへ

▲サイバーリーズン合同会社 Sr. Director of People & Culture 小川 哲志 様(左)、サイバーリーズン合同会社 Manager, Employee Experience 藤ヶ谷 亜貴子 様(中央)

ーー 移転から5ヶ月、最近のオフィスの様子はいかがですか?

藤ヶ谷

隔週金曜の17時から社員が集まる”ハッピーアワー”という企画があるんですが、今年の9月からオンサイト実施を復活させました。コロナ禍では長らくバーチャル開催でしたが、オンライン半分、オンサイト半分のハイブリッド開催に戻したんです。

小川

この間はオフィスから参加した人が、ずいぶん多かったよね。

藤ヶ谷

オンラインより、オフィスから参加した人の方が多いくらい。オンライン組からは「せっかくなら会社に行けばよかった」なんて声も上がりました。

藤ヶ谷

社員の家族をオフィスに招待する”ファミリーデイ”も、ハロウィンに合わせてはじめて開催します。

本当は夏休み頃に企画していたんですが、第七波の影響で延期していたんです。

今井

実は今度のファミリーデイ、僕もマジシャンとして参加するんですよ。

木幡

え、そうなの?

藤ヶ谷

そうなんですよ。特技がマジックと伺ったので、お願いしたんです。参加者は約80名、そのうちお子さんも30名くらい来てくれる予定です。

今井

それはすごい!緊張しちゃいますね(笑)

小川

移転して、家族を招待できるオフィスになったかな。子どもたちだけでなく、両親や婚約者を連れてくる人もいます。

日本ではあまり馴染みがないですが、グローバルのIT企業のカルチャーとして、こういう機会は敢えて開催する”施策”ではなく、ずっと前からある”普通”のことなんですよ。

2.”個々の能力の限界”を突破するために必要だったこと

ーー プロジェクト発足当時から、”出社したときの人と人との交流”に重きを置かれていましたよね。どういう意図があったのでしょう?

木幡

以前、小川さんがオフィスを「協働する場」として再定義する記事を書かれていましたよね?

あの記事、とても共感したんです。

小川

読んでくれたんだ、ありがとうございます。


【「はたらく場」➡︎「協働する場」−オフィスの再定義】より

これまではスタートアップ中心にオフィス縮小や郊外移転が進みつつあったのが、2021年を迎え、大企業の移転・縮小のニュースも飛び込むようになってきた。そんな中で、自分たちがとるべき方法は何か。

検討を進めた結果、結論は、

オフィスを拡張・移転し、「協働する場」として再定義する

ことだった。

https://www.wantedly.com/companies/company5219147/postarticles/319639

本文を一部抜粋


小川

オンラインでも働けることはわかった。ただ、オンラインだけで働くと、個々の能力の限界で頭打ちしてしまうんですよね。

木幡

個々の能力の限界、ですか。

小川

自分の中にある経験値と自分の中にある発想であって、それ以上でもそれ以下でもない。本来はいろんな人と話すなかでヒントを得て、新しいアプローチが生まれる。

雑談って、ものすごく大事なんです。

小川

特に、コロナ以降のリモートワーク期に転職してきた人たちは、”会社で働いている”という感覚が薄いようで、口を揃えて「個人事業主みたい」と言っています。

もちろん仕事はできるんです。ただ、一定のパフォーマンスは出ていても、それ以上を突破するのはなかなか厳しい。

ひとりで煮詰まってしまったときには、他の人と会って話をすることで絶対ヒントを得られる。しんどいときこそ、オフィスに来て欲しいです。

ただ、コロナの3年弱で、来ないことに慣れてしまっているから、意識しないと来ない。

オフィスという場があって、集まることによって限界が突破できる、状況を打開できるということに気付いて欲しいですね。

木幡

むしろ、コロナ前の「なんとなく全員出社」のときよりも、人と会うことの重要性に気付いた上で「仕事を進めるために集まりたい」という意図的な出社の方が、パフォーマンスが上がりそうですね。

小川

現場からも、自発的に集まりたいという声が上がってきています。自ら音頭を取って、課題を話し合う場を設けた人もいました。

お客さんへのアプローチにより多くのアイデアが必要な営業部では、合宿形式のオフサイトミーティングも開催しました。もう今年だけで4〜5回やったかな?

会うことの重要性をみんなが理解したということですね。

今井

プランニングがはじまる際にも、小川さんから「人がぶつかるように、遊び心があるレイアウト」という依頼をいただきましたよね。

江川

通常ならデスクを整列させて動線をまっすぐ取るところを、敢えてデスクごとジグザグに配置しました。

そうすると、執務室の出入り口から席までのあいだに、声を掛けられたり、掛けたりというシーンが自然と生まれるんですよね。

小川

嫌でも人がいるのが目に入ってくるしね。コロナ禍だからこそ、対面でのコンタクトは重要性が増していると感じています。

そうそう、オープンミーティングができる場所を作って欲しい、というのもリクエストしましたよね。

江川

デスクを交差するように並べて生まれた空間に、小さなミーティングテーブルを入れました。

ジグザグの動線に人が通りかかったときに声を掛けて、「ちょっとそこで話そうよ」と、すぐにテーブルへ移動する。

対面でのコミュニケーションを、より発展させる仕掛けでもあります。

今井

ぶつかることでコミュニケーションが生まれて、そこからコラボレーションが生まれて、さらにはイノベーションが生まれる、

というアプローチが良いですよね。まさに「場」があるからこそできること。

江川

ほかだと、とにかくカウンターを大きく作りましたよね。

藤ヶ谷

あのカウンター、本当に助かっています!ハッピーアワーのときには、お寿司やピザを並べて、囲んで使っています。

初期のプランでは、サイズももう少し小さかったし、壁にくっついてましたよね?

江川

そうでしたね。でも、ドリンクやフードを並べたい、人を集められる場にしたい、というお話があったので、広々と使えるよう最大サイズ(4m幅)に変更しました

▲具体的なイメージとニーズから生まれた特大カウンター&ワークスペース

小川

隣の卓球台は、普通のデスクとして使われてるよね(笑)

藤ヶ谷

ネットを付けていないから、みんな卓球台だって気付いていないのかも?前のオフィスでは、結構使われていたんですよ。

小川

卓球大会もやりたいね。とりあえず、まずはネットを張ろう。

▲この取材も卓球台を囲んで実施しました

江川

執務スペースでは、どの席が人気ですか?

藤ヶ谷

窓際ですね。昇降デスクのあるあたり。

小川

人の出入りも含めて、全体がよく見えていいんですよ。

木幡

今回、移転前からのリクエストでもあった会議室も、たくさん作りましたね。

藤ヶ谷

以前から、会議室は埋まっていてニーズがあったんです。

前のオフィスで6室だったものを、今回11室に増やしました。

非常によく使われていて、出社が10人ちょっとでも、会議室は埋まっていることがあるくらい。

小さめの会議室は、ひとりで参加するオンラインミーティングでも活用されているようです。

▲オンラインミーティング時によく活用されている4名用会議室

小川

シェアオフィスは仕事をするのにはいいけれど、会議室に時間制限があったりして、会議するのには使いづらいタイミングもあるからね。

会議室を気兼ねなく使える状況というのも、自分たちのオフィスだからこそ。

3.“Work from Anywhere” を掲げる企業が示す、オフィスの役割とは

ーー サイバーリーズンさんは、「働きがいのある企業」にも認定されていますよね。なにか施策されているんですか?

小川

“Work from Anywhere”という働き方を打ち出しています。

その心は、人によって一番集中できる環境は違うということ。

会社は、その人のパフォーマンスが欲しい。だから、その人の志向に合わせて選べるように、どこでも働けるような仕組みになっているんです。

自宅で働く人もいれば、週4日オフィスに来る人もいる。自宅とオフィス以外の場所としてシェアオフィスも自由に使えるように契約しています。

藤ヶ谷

今年は、”Work from California”を1ヶ月のあいだ実践した人もいましたよね。

小川

僕もよく、発電機と携帯用のテーブルを持って公園で仕事をしているんですよ。

今井

オフィスも働く場所のひとつ、という考え方なんですね。

小川

Work from Anywhereであると同時に、オフィスだからこそできることがある、とも思うんです。

集まって話した方が生産性が上がるもの、クリエイティビティが上がる内容もあるんですよね。

オンラインでは、ディスカッションは広がっていきづらい。これは、場の空気感が伝わらないからです。

今も、移転プロジェクト当時のことを話しながら思い出したりするけれど、これがオンラインだとなかなか出てこないんじゃないかな。

場を提供するのが、今のオフィスの役割だと考えています。

4.グローバルの流れとは逆を行く、日本支社のオフィス移転

今井

このオフィスに決める際、アメリカ本社へのプレゼンがすごかったと聞きました。

小川

グローバルで見ると、コロナ禍で人が出社して来ないことや、ヨーロッパに人員が散らばっていたこともあって、イギリス支社はオフィスを閉めたんですよ。そんななか、日本支社は新しいオフィスへ移転しようとしている。完全に逆風だったわけです。

オフィスそのものが必要なことは本社も理解してくれていました。アメリカではコロナによる制限が日本より早く緩和されて、オフィスに人が戻っていた。オフィスに来て、人と対面で話すことの重要性を感じていたようです。

最後はCEOとCFOにプレゼンをして、さらに追加資料も作って説得しました。

藤ヶ谷

木幡さんには、資料の準備にもご協力いただきましたよね。

木幡

このオフィスが、いかに周辺の他のビルと比べてベストなのかを判断してもらうために、近隣の賃貸オフィスだけでなく、売買物件とのコスト比較の資料も作りました。

当時、"コロナ禍で日本のオフィスマーケットが下がっている"という情報が飛び交っていたこともあり、本社の方の判断もシビアになると思っていましたから。

小川

本社には「日本はオフィスに人が戻ってきているのか?」と聞かれました。

そこで、イベントでの盛況な様子の写真を本社に送り、人が戻ってきていること、採用活動が順調で社員が増えていることを、最後のひと押しにしました。

実は薄氷を踏む思いだったなぁ(笑)

木幡

そんなヒリヒリした状況だったとは…。

小川さんはスマートだから、大変そうな顔はあまり見せてくれなかったんです(笑)無事移転できてよかった!

5.オンサイトの価値を高める仕掛けづくりに取り組みたい

ーー 「働きがい」や「働き方」をよりよくするために、今後何が必要だと思いますか?

藤ヶ谷

いまはまだ出社をしてもマスクのままで、表情が分からないし、新入社員の顔も覚えづらい。

今後、さらにコロナが落ち着いて、いろんなことが緩和されていくと、マスクを外せるタイミングも来ますよね。そうすると、人の気持ちも変わってくると思います。早くそのタイミングが来て欲しいです。

あとは、いろんなイベントを開催していくなかで、ハイブリッドの難しさをずっと感じていたので、オンサイトでできる仕組みや仕掛け作りができたらいいな。

このオフィスで大人数で集まったのは、まだオープニングイベントの1回だけなんです。もっと人が集まる機会を増やしていきたいですね。

今井

ちょうどコロナの状況が落ち着いて出社が増えていく、変化のタイミングですよね。

その変化に柔軟に対応できるオフィスでありたいですし、そのためのお手伝いはこれからもしていきたいと思っています。

木幡

そうだ、話は逸れますけど、小川さんの着てるTシャツはサイバーリーズンさんのオリジナルグッズなんですね。かわいいなぁ、今度ください(笑)

小川

いいよ、Tシャツの他にもいろいろあるよ。

今井さんはまた来週、マジシャンとしてよろしくお願いします。

今井

はい、よろしくお願いします!


取材協力/サイバーリーズン合同会社様

取材・文/よふかし株式会社 照屋

編集/ヒトカラメディア編集部