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2021/12/14

「当たり前だった場所」を「特別な場所」にする。- 株式会社サーチフィールド様

今回は、クリエイター支援事業を行う株式会社サーチフィールド様の新オフィスプロジェクトを振り返るインタビューをお届けします。

  2020年11月にコロナ禍でのテレワークを経て縮小移転の方向が決まり、2021年7月に移転とスピード感のあるプロジェクト。移転から半年経ったいま、どんな変化が起こっているのでしょうか?

ヒトカラメディアとのお付き合いは長く、今回の移転で4ヶ所目。今までの移転のなかで一番変わったという働き方、オフィスへの意識、そして今後につながる発見について、お話を聞きました。

ヒトカラメディア
プロジェクトメンバー

8社の申し込み物件を勝ち抜いた「ポジティブ」な縮小移転

ー 当初は、拡張移転を予定していたと聞きました。

長谷川洵さん(以下、長谷川)

そうですね。ただ、コロナの影響があって、前提から考え直したんです。

木幡

2020年6月頃には、テレワークへシフトしていましたよね。

▲株式会社サーチフィールド 取締役副社長 長谷川洵 様

長谷川

まずはテレワークでのインフラの充実を最優先事項としました。社員に毎月テレワーク補助を支給することにしたんです。

コロナ渦の長期化もありうることも考慮し、テレワーク主流の働き方へ完全にシフトする前提で、オフィスに関してはコストを下げたいなと。

当時のオフィスは80坪だったんですけど、出社してるのは常時3人くらい。さすがに「この広さは無駄だな」と思って、縮小する方針へと切り替えました。

木幡

オフィスを縮小するとなると、業績の悪化などではなく「会社のプラスになる移転」という見せ方も重要なんですよね。

外部向けだけでなく、会社のメンバーに対してプラスのメッセージを出すのが大事だと思ったので、物件の選定にもその視点を取り入れました。

長谷川

そこまで汲み取っていただいていたんですね。まさに、それが立地選定のポイントになりました。

いくつかあった候補の中には前のオフィスと同じ五反田の物件もあったんですけど、同じ街で縮小移転すると、見え方があまり良くないし、働いている側も新鮮味がない。

ステップアップしていることを見せるためにも、今回の表参道、しかも南青山アドレスの条件は最高でした。

木幡

いくつか内見にも行きましたが、どうでしたか?

中山直人さん(以下、中山)

やっぱりコスパがすごく良かったし、割とすぐに「ここだね」ってなりました。

前テナントが残した木目調の意匠を活用した新オフィス

ー 申し込みを入れたものの、なんと8社も競合したんですよね。

木幡

僕は12年この仕事をしていますけど、8社競合は最多です(笑)

長谷川

8社競合と聞いて、ダメ元でチャレンジしたくなったんです。そんなに競合が生まれるほど、いい物件ということですもんね!

▲株式会社サーチフィールド 代表取締役 中山直人 様

中山

でも、なぜサーチフィールドが選ばれたんだろうって不思議だったんです。他の会社の方が条件が良かったとも聞いていましたし。

木幡

ここだけの話ですけれど。

これだけ競合がいると、ただ指を咥えて見ているだけで負けてしまうのは悔しいなと思ったんですね。だから、管理会社の担当者を介してほぼ毎日オーナーさんに連絡を入れて、検討状況を聞き出したり、サーチフィールドさんの企業の紹介やアピールを続けていました。

長谷川

なんと。ちなみに、どんなことをアピールしていたんでしょうか?

木幡

オーナーさんがご高齢で、かつ立地に対しての条件が非常に良心的だったこともあり、これは業績などの数字だけでは判断しない方なんだろうなと。

僕はサーチフィールドさんとのお付き合いも長いので、人柄の良さを分かっているつもりです。企業の沿革もお伝えしましたし、たとえば「いままでも丁寧にオフィスを使ってくれている企業ですよ」なんてことを、念入りに伝えました。

最終判断はオーナーさんの家族会議の場だったそうなのですが、その場で息子さんが「サーチフィールドさんを応援したい」とまで言ってくれたそうです。

中山

見えないところで、そんな交渉までしてくれていたんですね!

オーナーさんが「サーチフィールドを応援したい」と想ってくれていることも知れて、すごく感慨深いです。


いままでのオフィスにはなかった働き方を、メンバーが自分たちで発見している

ー社員さんの新オフィスに対する反応はいかがでしょうか?

長谷川

執務室のフリーアドレステーブルを使ったり、ラウンジのハイテーブルで立って仕事をしていたり。

いままでのオフィスにはなかった働き方をしている社員が増えています。

中山

ガラス壁を使ってオープンな雰囲気の会議室にしたら、テレワークの社員と出社している社員がオンライン会議システムを通して一緒にランチしていましたね。

長谷川

想定外な使い方も含めて、働き方を自分たちで発見してくれている光景がすごく嬉しいですね。

大会議室は、ランチタイムになるとオンライン/オフライン問わず社員が集まる

ー オフィスの仕掛けって、想像していた以上に新しい働き方が生まれますよね。

木幡

ヒトカラメディアでも前のオフィスでは、なにか起きないかなと思って至るところにホワイトボードをたくさん置いてみたことがありましたね。そうすると、色んな場所で議論が始まって。そこからプロジェクトに発展したものもあり、仕掛けの面白さを実感しました。

長谷川

それは面白い!

僕たちも大会議室をガラス壁にしたところなんかは、チャレンジだったんですよ。

中山

そうそう。ガラスに直接書けるマーカーを買ったので、お付き合いのある作家さんを呼んで、イラストを描いてもらいたいなと考えていたところでした。

イラストを作家さんの広報活動に使ってもらったり、今後はそういう関わり方もできたらいいなと思っています。

オフィスにはガラス壁が多く、とてもオープンな雰囲気

長谷川

今回のオフィスでは、初めて”働く”と”休む”を混ぜるチャレンジができたと思うんです。

今までは”働く”か”休む”かどちらかしかなかった。改めて混ぜることのメリットを感じています。

木幡

いままでサーチフィールドさんのオフィスを3件見てきていますが、いわゆる”働くためのオフィス”でしたもんね。

長谷川

今回のオフィスでは、ラウンジは作業やちょっとしたミーティングだけでなく、ランチや休憩にも使えます。来客時に顔を合わせる場所でもあるので、自然と「こんにちは〜」なんて挨拶が発生して、会社の雰囲気が伝わる。

移転前には抵抗があるという声も上がりましたが、実際にやってみると、コミュニケーションが生まれて良かったなと。いまはまだ一部の社員しか出社していないですけど、この変化が全員に波及していったらいいなぁと思っています。

混ぜるといえば、ヒトカラさんのオフィスには、お子さんが来たりもしているんでしたっけ?

大越

そうなんですよ。コロナ前には、毎週社員の子どもが誰かしら来ていました。私たちが仕事をしている横でおもちゃを持って遊んでいます(笑)

木幡

不要な紙類をシュレッダーにかけて、おこづかい稼ぎをする子が出てきたりしてね(笑)

長谷川

うちの会社も子どもがいる社員が増えてきたから、そういう場所があってもいいかもなぁ。

ー 多くの社員さんはテレワークを継続していて、まだオフィスに来たことのない方もいるんですよね?

長谷川

そうなんです。来たことがないメンバーはちょっと腰が重いみたいで。

でも、一度出社したメンバーはまた来たいと言ってくれます。

大越

どうやったら出社が進むかも考えていきたいですね。例えば、新しいオフィスの使い方を考えるワークショップをしてみるのも良いかも。

長谷川

なるほど、それも面白そう。

テレワークが中心のいま、出社自体をイベント化するのがモチベーションに寄与していると感じています。チームMTGやランチもイベントになると、ちょっと特別感も出ますよね。

移転によって上がった「サーチフィールド色」の濃度

ー 新オフィスに来て、なにか新しい発見はありましたか?

中山

やっぱり表参道の街が面白いですね。電動スクーターのLUUPが便利でよく使っています。

歩くにはちょっと遠いところも、LUUPがあればすぐに行ける。行動範囲が広がりました。

オフィスから表参道までは目と鼻の先

長谷川

街にスポットがたくさんあるので、ジムに行ったり、食事をしたりとどこかに寄ることが気軽にできます。帰宅時間が早くなったメンバーも増えました。

中山

表参道だし、駅からも近いし、人を誘いやすいです。

五反田時代は駅からも少し距離があったので。移転してまだ誰も来てない頃、以前社員として働いていた人も遊びに来てくれました。

長谷川

たしかに「遊びに行くわ」って言ってもらえることが増えた気がするね。

中山

あと、当たり前ではありますけど、オフィスって会社の色が出ますよね。

今までは拡張移転が続いていたので、ものを捨てずに付け足し付け足しで来たんです。さらに居抜きオフィスだと前の会社から引き継いだものが溜まっていて、自分たちの色が付きづらかった。

今回、本当に欲しいもの、残したいものがなにかを改めて考えることができました。

大越

縮小移転ということで、既存の家具のどれを持っていくか、捨てるか、かなり議論をしましたよね。五反田オフィスのエントランスにあった大きなダルマを移動したり(笑)

中山

逆にずっと使っている黄色いスツールは「これはやっぱりサーチフィールドだよね」と残しました。他にも、以前会社のロゴに使っていたハイエナのアイテムが増えたりして、よりサーチフィールドっぽさが濃くなったと思います。

テレワークだと、どうしてもサーチフィールド色が薄れてしまう。会社に来るたびに充電してもらって、社員としての側面を感じてもらえるような循環ができるといいなと思います。

長谷川

いままでカチッとやってきていたんですけど、遊び心を足せるようになったようにも思います。自分たちとしてもチャレンジングなアイテムを導入したりすると、新卒の社員に「なんですかコレ」と突っ込まれることもあります。

その”緩さ”が、みんなが参加してくれたり、考えるキッカケになったら、会社としても幅が広がりますよね。


サーチフィールドの前ロゴでモチーフになっていたハイエナの人形は、長谷川さんが見つけて買ってきた

働く場所として機能だけではない、存在価値としての「オフィス」

ー 移転プロジェクトを通して、これからのサーチフィールドさんにとっての発見はありましたか?

長谷川

社員にとって会社の存在価値ってなんだろう?と考えるキッカケになりました。テレワークになると、業務と報酬以外に、会社に所属している意味が見つからなくなっちゃうんじゃないかなと。

そうすると、会社の価値のひとつって、「オフィス」だと思ったんです。

働く場所としての機能だけなく、帰ってくる場所、人が集まれる場所があること自体が価値なんじゃないか。その上で「この場所をどうやって活用して、どうなりたいかを示す」ことを強く考えるようになりました。

プロジェクトを通じていろんな話をして、噛み砕いてもらって、自分なりに整理して、軸となる考え方が見つけられたと思います。

木幡

長谷川さんはいつも、オフィスの”条件”だけじゃなく”思い”の部分をしっかりと伝えてくれますよね。

長谷川

ヒトカラさんには以前ワークショップをしてもらって、「オフィスづくりってそういうことだよな」って意識があるんです。

だから、綺麗にまとまっていなくても、考えていることはお伝えしようと思って。

木幡

もしかして、材料を用意するハードルを上げちゃいましたか?(笑)

長谷川

ええ、それはもう!(笑)

木幡

もっとフワッとした状態でも全然大丈夫ですよ。

いろんな意見や感じていることを出してもらえれば、要素をテーブルに全部並べて、解決方法を考えますから。これからも気軽に声を掛けてください!


取材協力/株式会社サーチフィールド様

取材・文/照屋有理子

編集/ヒトカラメディア編集部