2020年度、オフィス市場のなかで注目された「フレキシブルオフィス」をご存知でしょうか? ニューノーマルな働き方や組織の在り方を考える上で、「働く場」の選択肢を大きく広げてくれるフレキシブルオフィスは、これからのオフィス選びには欠かせない知識となりそうです。今回は、ワーキングスペースやシェアオフィス、一般的なオフィスとの違いは何なのか、メリットや気をつけるべきポイントについて、実際にフレキシブルオフィスを紹介するメンバーに教えてもらいます。
ヒトカラメディア
プロジェクトメンバー
フレキシブルオフィスってなに?
ー まずはフレキシブルオフィスとは何なのか知りたいです。コワーキングスペースやシェアオフィスとの違いはあるのでしょうか?
小林:フレキシブルオフィスは、大まかにくくると「柔軟な利用形態で使用できるオフィス、ワークスペース」のことを指す言葉となります。だから、コワーキングスペースやシェアオフィスもフレキシブルオフィスの中のひとつ、と捉えられますね。
個室タイプのワークスペースを提供しているサービスオフィスのほか、一部のオフサイト施設や研修施設として使われている空間などもフレキシブルオフィスと呼ぶことがあります。

ー 研修施設もフレキシブルオフィスと呼べるんですか?
小林:すべての研修施設ではないんですけどね。
お客様のニーズに対して「オフィスとして機能し、かつ柔軟な利用形態で使用できるか」という視点のもとで提案できるものを「フレキシブルオフィス」と総称しているんですね。
とくに昨今では、これまでイベントスペースとして運用していたけれどオフィス用途での募集しはじめた施設、なんて例もあります。これらの情報をニーズにあわせて適切に判断して、フレキシブルオフィスとして提案していますね。
ー ここでいう柔軟な利用形態って、具体的にはどういった形態なんでしょうか?
上岡:次の図のように分けられます。
まず、契約形態について。フレキシブルオフィスには、「賃貸借契約(一般的なビルと同じ契約方法)」と、「施設利用契約」という方法があります。
また、この「施設利用契約」は2パターンあり、「部屋単位での契約」と「個人単位での契約」ですね。部屋単位での施設利用契約の場合、賃貸借契約のように同法人であれば自由に施設利用できることが多いです。

上岡:コスト面でいうと、「個人単位での施設利用契約」のパターンが契約単価では一番安くなるのですが、法人での施設利用を考えた場合、利用用途と人数によっては「部屋単位での施設利用契約」や「賃貸借契約」のほうが適しているケースもあります。
また、施設によっては「同シリーズの違う拠点の施設も利用できる」「ラウンジの一部を専有予約できる」などの特徴もあるので、契約費用だけでなく施設ごとの利用規約や設備なども総合的に考慮して判断することが大事です。働く場を選ぶわけですから、「自分たちにあった働き方」を実現して成果へ貢献することが、大目的なので。
フレキシブルオフィスを紹することによるメリット
ー なるほど。フレキシブルオフィスといっても様々なバリエーションがあるんですね。具体的にどんなメリットがあるかも知りたいです。
小林:では、シーンごとにメリットを整理しますね。
メリット1:契約期間を自由に設定できる
小林:まずは、フレキシブルオフィスの最大の特徴でもある施設利用契約の場合のメリットです。
一般の賃貸借契約が2年、3年といった契約期間がベースになるのに対し、施設利用契約の場合は1ヶ月〜3ヶ月単位で契約期間を決められることが多いです。
急成長中の企業にとって、採用計画というのは良くも悪くも大幅に前倒しになるケースがあります。急成長のあまり早々にオフィスを移転することになった場合、賃貸借契約では契約期間の残期間分の賃料、または数カ月分の賃料を一括で支払わなければいけないケースもあります。
その点施設利用契約であれば1ヶ月単位での契約のため、違約金を最小限に抑えることができます。

メリット2:拠点や面積に縛られない自由度の高さ
小林:これも施設利用契約の場合に多いメリットです。
ラウンジや集中ブースなど共用スペースを兼ね備えたフレキシブルオフィスであれば、そもそも施設の広さに余裕があります。また、作業目的に合わせて働く場所を選ぶ「ABW(Activity Based Working)」を実践できることもメリットかなと思います。
上岡:あと、施設によっては、同シリーズの違う拠点の施設を使えるというメリットもありますね。
たとえば、普段は東京で契約しているオフィスを利用しているけど、出張時に同シリーズの大阪のオフィスを利用する、ということも可能です。全国に拠点があり、行き来するような業態にも適していると言えます。
費用面は、施設によって利用時間ごとの料金や契約時のオプション料金が必要ですが、各拠点で普通にオフィスを借りることと比べると圧倒的に低コストで利用することができますね。

メリット3:オフィス運用の初期費用を低コストで実現
小林:どの契約形態にも当てはまるメリットが、イニシャルコスト(オフィス運用の初期費用)を最小限化です。
一般的なオフィスだと、オフィスとして機能させるための内装構築が必要となります。たとえ、「オシャレなオフィスじゃなくてもいい」という場合でも、会議室を構築したりエントランスを構築したり最低限の工事が発生しますし、内装工事に1〜2ヶ月の期間がかかる。そして、この工事期間も賃料が発生しますし、これらの総額は何百万円という額になることも珍しくありません。
一方で、フレキシブルオフィスの場合は、内装や設備が用意されていることがほとんどです。デスクやチェア、キャビネットなどのオフィス家具の購入が必要になるケースはありますが、それでも入居してすぐオフィスを運用開始できるし、工事費用もかからないコストメリットは大きいです。
フレキシブルオフィスの注意点(月額費用、混雑具合)
ー ちなみに、逆にフレキシブルオフィスで気をつけるべきポイントはありますか?
上岡:まず押さえておきたいポイントとして、月額費用は上がることが多いです。
これは、一般的なオフィスビルを賃貸借契約しフル活用できる人数で計算した場合ですね。たとえば、従業員1名あたり2坪と考えて10名で20坪のオフィスを利用するとした場合。一般的な20坪のオフィスビルの賃料のよりも、「10名分の施設利用契約」または「20坪の部屋の施設利用契約」をしたフレキシブルオフィスのほうが月額費用が高くなることが多いです。
ただ、この場合重要なのは、「どのくらいの期間/どれだけの人数が/どのくらい利用するか」をイニシャルコストも含めた総費用のシミュレーションをすること。先述のとおり、契約形態や契約期間を調整することで、結果的にコストパフォーマンス良くフレキシブルオフィスを活用することもできます。
小林:あと、共用スペースの混雑具合や、共用スペースでのイベントの開催頻度などは要チェックですね。施設の公式HP上のスペックだけではこれらの情報はなかなか把握しづらく、実際に施設を視察しないとわからない情報もあります。
ー セキュリティリスクなどはいかがでしょう?
上岡:どの程度のセキュリティが必要か要件を整理する必要がありますね。セキュリティ設備については施設ごとに異なります。施設によってはPマークが取得できる設備の揃ったフレキシブルオフィスもあります。
具体的な施設事例
小林:ここで、具体的な施設例を、特徴を交えてみていきましょうか。
施設A(個人単位の施設利用契約)
全国都市部に施設分布あり
ABW仕様の共用空間あり
入居企業との交流やマッチングをアプリ等でサポート
施設側でのコミュニケーションイベントを企画
セキュリティ対策:Pマーク対応
専有スペースはオープンな雰囲気
小林:施設Aは、全国多拠点展開していることと、施設側でのコミュニケーションイベントを頻繁に開催しているところが最大の特徴です。とくにイベントを通して外資企業との関係を築くこともできます。
また、個人単位での施設利用契約であるため、ボードメンバーのみの企業立ち上げフェーズに向いています。
一方で、大企業のサテライトオフィス的な使われ方もされているケースもあり、施設とのカルチャーフィットが見込めれば、スタートアップ企業としては大きなチャンスが巡ってくる可能性もありです。
施設B(賃貸借契約)
都内都心部での施設分布あり
ABW仕様の共用空間
ランチサービス
シャワールームあり
時間貸しの専有スペースあり<ラウンジ空間>(従量課金)
上岡:施設Bの特徴は、ABW仕様の共用スペースがあること、時間貸しの専有スペースがあること、契約形態が賃貸借契約であることです。
融資面において施設利用契約よりも評価されやすいという賃貸借契約のメリットを活かしつつ、自社オフィスとして契約する部屋以外の共用空間をワークスペースとして活用することで、自由度の高い働き方を実現できます。ランチサービスやシャワールームなど、福利厚生面を充実できるというメリットもあります。
施設C(個人単位の施設利用契約)
全国都市部に施設分布あり
ABW仕様の共用空間あり
ビジネスTPO仕様
専有スペースは情報を守れるような空間づくり
小林:施設Cの特徴は、ABW仕様の共用空間と情報セキュリティ対策の両立と、ビジネス対応した雰囲気です。
業態によっては、まだまだスーツスタイルで仕事したいというニーズもあります。これに対して、カジュアルすぎるオフィスであるとお客様を呼びづらかったり、作業に集中しづらかったり。
その点で、落ち着いたトーンで重厚感のある空間テイストのフレキシブルオフィスであれば、重要な商談時にもTPOを気にすることなくオフィス活用できます。
フレキシブルオフィス探しをヒトカラメディアに依頼するメリット
ー 実際のところ、オフィス市場におけるフレキシブルオフィスのニーズはどんな感じでしょうか?
上岡:2020年以前も一定数の需要はありました。ですが、2020年コロナ禍以降フレキシブルオフィスのニーズは一気に高まったという感覚があります。
これは、緊急事態宣言を受けての働き方改革がきっかけだと思います。「社員全員毎日の出社が必要なくなった。自宅や自宅近くワークスペースを活用するようになった」というテレワーク経験から、オフィスの存在意義を見つめ直す企業も少なくなく、一方で「オフィスとはこういう場所だ」と存在意義を見定められた企業が多くないのも現状です。
そういった状況において、オフィスという空間の役割を模索・試験的に運用する場所、というニーズにフレキシブルオフィスが当てはまったのではないでしょうか。
小林:外部への広報的な観点(アウターブランディング)、または経営ボードから社内へのメッセージ(インナーブランディング)としてフレキシブルオフィスを選ぶ企業もいますね。いまこそ「働き方」に対して向き合う、というメッセージを、フレキシブルオフィスを選ぶというアクションと結びつけ、言うだけでなくちゃんと行動に起こすという。
ー 時代のタイミングが絶妙に重なったこともあって、フレキシブルオフィスは新たな選択肢となりそうですね…!
小林:それでいうと、フレキシブルオフィス選びでは「自分たちのパフォーマンスが上がる働き方」もしくは「理想の働き方」を把握することが重要なポイントだと思うんです。
コワーキングスペースやシェアオフィスは基本的に共用空間があって、自社メンバー以外の人たちが施設利用しているシチュエーションも多々あります。だから、施設利用者の平均年齢や業種の違いで、「スペックは大差ないけど雰囲気はまるで違う」という施設もあるんですよ。だからこそ、フレキシブルオフィス選びでは「自分たちの働き方」を把握することが重要。
その点で、「働き方の深堀り」においてはヒトカラメディアの得意領域です。企業の成長フェーズや業態、なにを実現したいのか、どんなチームでありたいのかなど、「自分たちの働き方」を見つけるフェーズもサポートしながら、フレキシブルオフィスの提案しています。
上岡:ヒトカラメディアは、フレキシブルオフィス選びにおいて仲介というポジションでちゃんと働きます。ただフレキシブルオフィスを見つけてきて紹介するだけではありません。
フレキシブルオフィスの施設ごとの特徴や条件といった知見はもちろん、契約という場において交渉人というポジションでも働きます。また、期間限定キャンペーン情報のキャッチアップ、キャンペーン活用を踏まえたシミュレーションといった面でもサポートします。
小林:スタートアップ/ベンチャー企業の仲介経験を活かした、融資面を考慮した施設選びもできますので、まずは頼ってみてください!
まとめ
柔軟な契約形態とコストメリットが魅力のフレキシブルオフィス。柔軟さ故に、条件の見極めや判断がポイントとなりますが、「働き方」の再構築が起こっている今の時代だからこそ、フレキシブルオフィスという選択肢はこれから当たり前になって来るような気がします。
ヒトカラメディアは、フレキシブルオフィスのマッチングプラットフォーム『JUST FIT OFFICE』と提携し、コワーキングスペースやシェアオフィスを含んだフレキシブルオフィスという、より幅広い「働く場」の提案をしております。
関連プレスリリースはこちら
「リモートワークを導入しているが、家での作業環境が整っていない従業員の為に、家の近くで作業できる場所を用意したい」
「今後の働き方について試行錯誤中で、とりあえず様々な働き方や働き方を試してみたい」
といった、コロナ禍特有のニーズや企業課題に対して、働く場に関するノウハウを活かしつつ『JUST FIT OFFICE』のデータベースを活用することで、よりスピード感をもって企業のニーズに合わせた最適な働く場の提案いたします。ぜひ、お気軽にご相談くださいませ。
ヒトカラメディア
プロジェクトメンバー





