

オフィスビルマニア
オフィスビルを「ただの箱」ではない視点で切り取る、オフィスビルマニアのレビューコラム。立地やスペックを超えて、建物の個性や背景、ささやかな違いから街と働く場の面白さを、ゆるく深掘りします。

品川区の御殿山エリアに佇む『ガーデングレイス品川御殿山』。一見、オフィスビルには見えない荘厳でクラシカルな外観は、神殿のようですよね。歴史ある高級住宅街である御殿山の街なみに寄り添うように建っていて、何度訪れても、前を通りかかっただけでも、私は思わず「おぉぉ....」と声が出てしまいます。
『ガーデングレイス品川御殿山』の敷地面積は約4,800坪、基準階面積は約 2045坪と、圧倒的なスケールを誇りますが、これが高層タワーではなく、地上9階建ての低層建築で、”とにかく横に長い”という構造が都心のオフィスビルでは非常にめずらしいんです。タクシーなどで横を通ると「この建物どこまで続くの!?」と驚くくらいです。


そんな外観からは、なかなか中の様子がわからないのですが、建物の中に一歩入ると、圧巻のエントランスホールが出迎えてくれます。白で統一された壁面、ピッカピカのタイル、圧倒的な天高、ステップを降りた先のラウンジには大きくくり抜かれた窓があり、その向こうには生い茂る緑・・・。ホテルのロビーのような高級感で、建物に入った瞬間にそれが一気に広がる演出は、訪れる人に強烈なインパクトを与えます。


実はこのビル、住宅メーカーの積水ハウスが手掛けたものなんですね。そのせいか、一般的なオフィスビルの持つ無機質な雰囲気とは一線を画し、どこか温かみがあり居心地の良さが感じられます。共用廊下やお手洗いも非常に広く、ベージュがかった落ち着きのある白を基調とした内装、効果的に使われている間接照明など、随所にその個性が発揮されています。
そして、ガーデングレイス品川御殿山を語るのに外せないのが約1000坪の「屋上庭園」です。これほど広大なテラスを持つオフィスビルは、私は他に見たことがありません。敷地内には在来種を中心に約2万6,000本が植樹され、緑化率は約40%を誇るとか・・・。遊歩道やデッキも設けられていて、最高のリフレッシュスペースになること間違いなしですね。
ガーデングレイスへは、品川駅もしくは五反田駅からシャトルバスでアクセスすることができます。徒歩ですと、大崎駅からは10分ほど、五反田駅/品川駅からも12分ほどと、駅近とは言えません。
しかし、高級住宅街である「御殿山」に位置していることが、このビルのブランド価値を高めていますし、アクセスの心配を補っても余りある魅力を持つのがこのビルです。オフィスビルに限らず、”なににも似てない”というのは圧倒的な強さがありますよね。オフィス移転の要件や条件は各社さまざまありますが、それを押しのけ「このビルに入りたい」と思わせる力を持った、”一点モノ”のオフィスビル、それが『ガーデングレイス品川御殿山』です。

