売買契約の前にしっかり確認! 「重要事項説明」の注意点とは?

家の売買契約を結ぶ前に、必ずあるのが「重要事項説明」。賃貸の場合にも行われるので、説明を受けたことがある人も多いかもしれません。でも、住宅を購入する場合の「重要事項説明」は、動くお金が多額な上に、確認しなければいけない事項もたくさんあります。

重要事項説明を受けた後には売買契約が待っていますが、契約をする前にしっかり重要事項を確認しておかないと、後悔することになりかねません。例えば、「住宅ローンの審査に通らなければ契約が解除できると思っていたのに、手付金が戻ってこなかった」、「住宅ローン控除が受けられると思っていたのに、受けられなかった」。こんなことがあったら大変です。そういったことがないように、慎重に確認しておきたいもの。

ここでは、売買契約を結ぶ前の重要なステップ、「重要事項説明」についてご紹介します。

 

「重要事項説明」って何?

「重要事項説明」というのは、物件の申し込みをした後、売買契約を結ぶ前に受けるものです。宅地建物取引業法によって、不動産会社は購入予定者に向けて、購入物件に関する重要事項を説明するように義務付けられています。購入予定者は、重要事項説明を聞いた上で、最終的に契約をするかどうか検討します。

説明される内容は多岐にわたり、説明に2時間ほどかかるケースも珍しくありません。重要事項説明書は、例えば中古マンションの場合は、おおむね次のような構成になっています。

【物件について】
・登記簿上の面積や抵当権の有無
・都市計画法や建築基準法などによる制限について
・建物が面する私道の負担金の有無
・水道・電気・ガス・排水などの種類と整備状況
・共用部に関する規約や持ち分
・専有部分の利用についての制限
・駐車場や専用庭、バルコニーなどに関する規約について
・修繕積立金や管理費の金額について
・建物の修繕についての記録
・造成宅地防火区域や土砂災害警戒区域かどうか

【取引について】
・契約の解除に関する条件や特約
・欠陥が見つかった時の保証について
・契約違反に関する損害賠償額や違約金について
・手付金や支払金の保全措置について

たくさん項目があって大変ですが、どれも重要。くまなくチェックしておきたいものです。

 

契約前に重要事項説明の写しをもらっておこう

モレなくチェックするためには、説明の場でもらったのではとても間に合いません。そこで、重要事項説明を受ける1週間以上前に、必ず写しをもらって内容を確認しておきましょう。

不動産に関する専門用語がたくさん出てきますから、実際に説明をきいてもわかりづらいことが多いです。事前準備なしに説明を受けることはやめたほうが無難。また、ただでさえ、通常とは違う場面で緊張しています。わけもわからないうちに終了してしまう危険性もあるのです。

事前に写しを確認し、理解できない部分については、質問状にまとめて不動産会社に回答を求めるといいでしょう。その際、回答も文書で貰えるようにお願いすることをお勧めします。後々、「言った・言わない」のトラブルを避けるためです。

もし、不動産会社から、「重要事項説明までに回答が難しい」と言われたら、迷わず説明の日程をずらしてもらいましょう。

 

確実にチェックしておきたいポイントとは?

重要事項説明については、不動産適正取引推進機構の「これでわかる!『重要事項説明書』」(http://www.retio.or.jp/info/pdf/important_matter_manual.pdf)などを参照しながら写しを読み込めば、かなり理解が進むはずです。主に、「事前に聞いていた説明や情報と違いがないか」を重点的にチェック。

ただ、そのほかにもリスク管理上注意しておいたほうがいい事項がありますので、ここではピックアップしてご紹介します。万一のときのために、下記のことはよく確認しておきましょう。

・広告上の面積が50㎡くらいの場合、登記簿上の面積が50㎡をきることはないか(50㎡をきる場合、住宅ローン控除などが受けられない)
・もし抵当権がついていたら、引き渡しまでにはずれるのか
・契約違反をした場合の損害賠償額などはどうなっているか
・住宅ローンの審査がおりなかった場合には契約を解除できるか
・引渡し前に災害や火災で建物が損傷した場合、売主負担で修繕してくれるのか(修繕不可能な場合、契約解除可能か)
・瑕疵担保責任(もし欠陥が見つかった時の責任)は、どれくらいの範囲・期間で負ってもらえるのか

 

納得できない場合は絶対に判を押さず別日程に

事前にチェックして、質問状で疑問を解消していても、それでもいざ重要事項説明を聞いてみたら、「納得できない」、「理解できない部分がある」ということもあるかもしれません。そういう場合は、とにかく契約書に判を押してはいけません。「ここまできて……」と思うかもしれませんが、そもそも、契約をするかどうかを決めるための説明が「重要事項説明」。説明を受けた結果、購入を見送ることがあっても何も問題はありません。

最近は、重要事項説明と売買契約は別の日に行うことも増えているのですが、いまだに同日に行う不動産会社もあるのが現実です。もし、同じ日に日程を組まれていたら、事前にずらしてもらうようにお願いしておくといいでしょう。同じ日に契約まで行うと、どうしても気持ちに焦りが生じてしまいます。

契約の後に「やっぱり納得できない」と思って契約を取り消しても、手付金(物件価格の1割程度)が返ってきません。とても大きな額が動くものですから、慎重に事を進めましょう。

 

 

【参考】
不動産適正取引推進機構「これでわかる!『重要事項説明書』」
http://www.retio.or.jp/info/pdf/important_matter_manual.pdf
(2015年5月11日)
山本久美子『買い上手こそ!中古マンション購入&リフォーム』(2009、小学館)
不動産ジャパン「不動産基礎知識」:買うときに知っておきたいこと
http://www.fudousan.or.jp/kiso/buy/8_2.html
(2015年5月11日)
SUUMO「SUUMO住活マニュアル」http://suumo.jp/article/jukatsu/konyu/keiyakuchui/558/
(2015年5月11日)
小菊豊久『‘13▶’14決定版 住まい 買うとき 売るとき』(2013、メディアファクトリー)

ヒトカラメディア
ヒトカラメディア
株式会社ヒトカラメディアは『「都市」と「地方」の「働く」と「暮らす」をもっとオモシロくする』をミッションに、ベンチャー企業を対象としたオフィス移転、内装プランニング、働き方のコンサルティングを行う会社です。軽井沢と徳島県美波町で、サテライトオフィスを展開しています。