マンションは管理を買う?資産価値を高める「いい管理」の見分け方

「マンションは管理を買え」とよく言われます。これは、「良好な管理がされているマンションを買おう」、という意味です。マンションを購入するときには、立地や設備などに気を取られて、管理を考慮しない人もいます。しかし、一見地味に見える管理は、資産価値にも大きく影響を及ぼすのです。
マンション購入後に、子どもが生まれるなどのライフスタイルの変化があるかもしれません。その結果、住み替えを検討することもあるでしょう。資産価値が高ければ、そういった状況でも売却がスムーズですね。
管理が資産価値にどう関係するのか、購入するときにはどこをみれば「良好な管理がされている」とわかるのか。さっそく見ていきましょう。

 

管理がマンションの資産価値を左右する!?

マンションの資産価値を考えるとき、まず頭に浮かぶのは「立地」でしょう。利便性がいい、駅から近い、住環境がいい、地域のなかでのランドマークになっている……。確かに、立地の好条件は資産価値を高めます。しかし、それだけではないのです。

中古マンションを購入するときには、必ず実際に足を運びます。同じエリアで、複数の物件を比較検討することも多いでしょう。そんなときに、外壁や内装などの老朽化がそのままになっていたり、住人同士のルールがきちんと守られておらず、「スラム化」した印象を与えたりしたら、どうでしょうか。検討から外されることが増えます。同じ地域で似た条件でも、売却価格が数百万違う、ということはよくあるようです。

では、次に意外と知らない、管理の基本的な仕組みをご紹介します。

 

管理のキホン~「管理組合」って何?

「管理組合」という言葉はほとんどの人が聞いたことがあると思います。しかし、実は誤解をしている人も多いので、この機会に改めて確認しておきましょう。

マンションを購入すると、購入した住戸内は当然購入者の所有物になりますが、エレベーターやエントランスなどの共用部分や敷地は、マンションを買った人全員の所有になります。それぞれが「区分所有権」を持っているという状態です。

これが誤解されやすいのですが、マンションの所有者は、「全員」管理組合に所属します。手続きは何もなく、区分所有権を持っていれば自動的に管理組合に入ることになるのです。区分所有者である限り、脱退することもできません。

この管理組合は、マンションに関することの決定権を持っています。選出した理事長をはじめとする理事会を中心に、総会などで意思決定をしていくのです。なかには、「管理会社」が決定権を持っていると思っている人もいるのですが、管理会社には管理業務を委託しているだけ。管理会社は管理のプロなので、アドバイスやサポートを求めることは多くありますが、最終的に決めるのは、住人である管理組合。場合によっては、管理会社と契約せず、「自主管理」しちゃうことだって可能です。

 

管理のキホン~「管理費」と「修繕積立金」は何に使うの?

マンションを購入しようと物件情報を見ていると、「管理費」や「修繕積立金」という言葉を目にします。それぞれ、次のような用途で使われます。

【管理費】
清掃やコンシェルジュ業務など、日々の管理に使用する費用。大部分は委託している管理会社への「管理委託費」として支払われるケースが多い。

【修繕積立金】
数年から数十年単位で発生する、大規模な修繕に使われる。一度に使う金額が多く、その都度請求するのは難しいため、少しずつ積み立てておく。新築で購入する場合は、最初に「修繕積立一時金」としてまとまった額を支払う。修繕積立金は段階的に引き上げられることが多く、足りなければ将来一時金も発生。

どちらの場合も、新築当初は売主である不動産会社が金額を設定し、修繕計画などのプランも立てています。しかし、入居後の運用は管理組合次第。管理会社を変えて管理費をおさえたり、修繕計画を変更したりすることも可能ですから、金額が当初の計画から変わることもあるでしょう。

 

管理組合の自主性でマンションの資産価値がアップ

管理組合がきちんと機能しているか、運用しているかどうかで、管理の良し悪しは大きく変わる、ということがご理解いただけたと思います。購入後は、自分たちでマンションを維持・向上させる努力をしなければならないというわけです。

例えば、年月を経てなお魅力を増す高級マンション。いわゆる「ヴィンテージマンション」も、良好な管理がなければ成り立ちません。どんなに抜群の立地で、魅力的なデザインで、しっかりとした構造でも、マンションの老朽化は防げないからです。

ヴィンテージマンションの筆頭とも言っていい「広尾ガーデンヒルズ」の場合は、自主的な組織づくりをして活動を行っています。理事会だけでなく、支部ごとの運営委員会や専門委員会をおき、広報やコミュニティ活動にも積極的。住人たちが定期的に管理会社を評価する制度を導入するなどの努力もしています。その結果、資産価値を保ち、築30年ほどでも大人気です。

ヴィンテージマンションでなくても、大規模修繕の際に共用部分の設備や外壁などをグレードアップすることで、資産価値の向上を図るマンションもあります。通常は築20年で分譲価格の50%以下になることが多い中、60%以上を保っているというケースも。そういったマンションは、住人のマンションへの思い入れが強く、「皆で協力してより良くしていこう」という意識が強いのです。

逆に、人まかせにして放置した結果、一部の人にだけ都合のいいように管理規約が変更された、資金を管理人や役員が使い込みしてしまった、という恐ろしいケースもあるといいます……。ぜひ、良好な管理がされているマンションを見極めて購入したいものです。

 

買う前に管理をチェックする方法は?

一見わかりづらい管理ですが、物件を購入する前でも、管理の良し悪しを調べることができます。次のようなポイントを見るといいでしょう。

□ 管理規約
違反者が出た場合やペットの飼育などについて細かく定められているか。中古の場合、特定の所有者にだけ有利な内容になっていないか。

□ 管理費
住戸面積の広さで割った単価が、周辺に比べて高すぎたり、安すぎたりすることはないか。あるとすれば、明確な理由はあるか。

□日常の管理
管理員の勤務形態は、常勤か、日勤か、巡回か。常勤のほうが管理は行き届くが、小規模物件の場合だと管理費が割高になることも。マンションの規模と管理形態のバランスがとれているかを考えましょう。
中古の場合、共用部の清潔感やマナーがきちんと保たれているか。ゴミ捨て場やメールボックス、駐車場・駐輪場近辺もチェック。

□管理会社
管理会社のHPなどを見て、可能なら過去の実績も見ておきましょう。経験豊富な管理会社なら、何かトラブルがあっても頼れるケースが多いです。

□ 修繕積立金・長期修繕計画
30年程度の長期の修繕計画が立てられているか。中古の場合、きちんと定期的に見直しがされているか。修繕積立金の値上がりや一時金の徴収が高すぎることはないか。高すぎれば、住人が払えず、結局修繕が行われない、ということにもなりかねません。

□ 管理組合
等価交換などにより、特定の区分所有者が偏って権限をもっているようなことはないかチェック(元の地主が土地を明け渡す代わりに、複数住戸を所有しているケースがあります)。中古の場合、きちんと総会が行われているか。自主的に議論が行われているかどうか、総会資料も見せてもらうといいでしょう。

 

管理をしっかりチェックすれば、資産価値も満足度も高いマンションに出会える

良好な管理がされているマンションなら、資産価値も保たれます。逆にずさんな管理のマンションでは、同じ条件のマンションでも資産価値が下がってしまうのです。買い替えや購入後の満足感にも大きく関わってくる管理。ぜひ、よくチェックしてから購入しましょう。

 

【参考文献】
櫻井幸雄(2014)『資産価値を高めるマンション管理の鉄板事例48―マンション暮らしは「管理」でここまで変わる!』ダイヤモンド社
岡田浩之、砂田潤一 他(2013)『ダイヤモンドMOOK マンション管理&修繕全ガイド』ダイヤモンド社
「広尾ガーデンヒルズ 管理組合」http://www.hiroogardenhills.jp/index.html (2015/4/3アクセス)

ヒトカラメディア
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