中古マンションのねらい目は築何年? 築年数別メリット&デメリット

中古マンションを探すときには、築年数をどこまで区切るか悩むもの。結局、大体のイメージで「築5年まで」「築10年まで」などと決めて探す人が多いでしょう。でも、実は各年代によってマンションの特徴はさまざま。単純に建物の古さだけで比較できるものではありませんし、5年区切り、10年区切りで探していては、運命の物件との出会いを失う可能性もあります。

築年数別の特徴を理解しておけば、物件を探すときの視野も広がります。今回は、築30年までの特徴を5年ごとに見ていきましょう。まずはこちらの表で大体の流れをご覧ください。

築年数 特徴 法律・社会情勢 設備・構造 価格・費用
築1年~5年
(2014~2010)
新しいのでリフォームをあまりしなくてOK 2009年10月~
住宅瑕疵履行法
新築マンションと同等程度。 新築価格の約9割
築6年~10年
(2009~2005)
最も人気が高い時期。2007、2008年以降は住戸を狭くする傾向に。 2007年サブプライムショック
2008年リーマンショック
マンションの強度が落ち着いている。 新築価格の約8割
築11年~15年
(2004~2000)
基本性能がアップ。欠陥があればこれより前に露呈しているので、安心感あり。 2000年4月~品質確保促進法 ディスポーザーやIHクッキングヒーターなどが普及。
遮音性もアップ。
新築価格の約7割、修繕積立金が不十分だと一時金を徴収されることも。
築16年~20年
(1999~1995)
大型で駅近マンションが増加。都内で広い物件も。 1994年~大量供給時代 排水管は15~20年が寿命。設備の性能が上がり始める。 新築価格の約5割
築21年~25年
(1994~1990)
1994年の大量供給時代までは、販売不振。高くて郊外、狭めの物件も多かった。 1991~1993年バブル崩壊期間 大量供給時代より前の物件は、構造面で遮音性や断熱性が劣ることも。個別チェックが必要。 新築価格の約4割。住宅ローン控除は築25年以内が条件。大型修繕の時期に要注意。
築25年~30年
(1989~1985)
新耐震基準が採用されているため、震度6強~7程度でも倒壊しないように作られている 1981年~新耐震基準>
バブル期で地価高騰
給水管の耐久性がアップ。一部都内で仕様にこだわった高級マンションも。 新築価格の約4割。管理費・修繕積立金が高いこともあるので要チェック。

各年代のなかでも、マンションの価格動向や法律の制定があり、単純に5年おきで区切れるわけでもないことがわかります。「築○年以内」と区切って探している人でも、法律や情勢が変わった年代にまたがっている場合は、特に注意したほうがいいですね。では、それぞれの築年数別に、より詳しくみていきましょう。

 

【築1年~5年】(2014~2010)
築浅でリフォーム代も少なく済み、保証面も安心。価格は高め

築5年以内の物件は、築浅なので設備・仕様も新築マンションに近いものがあります。住人の住み方によるものの、住戸や共用部もキレイなことが多いでしょう。そのため、リフォームをしなくて済む、あるいはリフォーム代が少額で済みます。

2009年10月に住宅瑕疵担保履行法が施行されたのも嬉しい話。その影響で、築5年以内の物件であれば、仮にデベロッパーが倒産していても、万が一の欠陥を保険でカバーしてもらうことができます。保証の面での安心感は強いです。

ただし、価格の安さはそこまで期待できません。不動産経済研究所のデータによれば、築5年以内の中古マンションの価格は、新築価格の約9割程度。中古マンションは新築マンションより諸費用が高額になりますので、総額がかえって割高にならないように注意する必要があります。

構造に関しては、実はマンションのコンクリートは乾くまでに1年以上かかりますし、強度は「3年目以降に落ち着く」とも言われます。築浅すぎて強度に不安がある人は、築3年以上のマンションを目安にするのもいいでしょう。

 

【築6年~10年】(2009~2005)
人気の築年数だが、2007、2008の価格上昇時代以降は狭めの物件が多い

ノムコムの調査によれば、中古マンションのなかでも、最も人気が高いのが築5年超~10年以内。中古住宅を探していて築年数にこだわる人のなかで、この時期を条件にする人が45.6%と最多です。まだ築浅なうえ、築5年以内の物件より低価格であることが人気の要因でしょう。

ただ、この時期でもまだ新築価格の約8割程度。価格が下がりきってはいません。また、2007年にはサブプライムショック、2008年にはリーマンショックがありました。この影響で地価が上昇。建築コストもあがったため、これ以降は各住戸を狭くして販売する傾向がありました。個別の物件によっても条件は全く違いますが、広い住戸が欲しい場合は、この時期をはさむかどうかも重要なポイントというわけです。

 

【築11年~15年】(2004~2000)
品質確保促進法が施行されて性能もアップ

築11年以上になると、価格は新築時の約7割程度まで落ちて、かなりお買い得感があります。

この年代では、2000年4月に品質確保促進法が施行されました。マンションの基本的な性能が上がり、コンクリートの厚さも180㎜程度のものが普及して遮音性がアップ。ディスポーザーやIHクッキングヒーター、食器洗浄乾燥機などの便利な設備も広く使われるようになり、便利になりました。超高層タワーや湾岸エリアの開発が出てきたのもこのころですね。

構造面では、もし重大な欠陥があれば、大体「10年以内に発覚する」と言われているため、この築年数のマンションで何も問題が発生していなければ、安心と言えます。ただし、給水管の寿命が大体10~15年ほどなので、水回りは要チェックです。

他にも気を付けたいのは、大規模修繕の時期。大体築10年前後で最初の大規模修繕を行うことが多いので、既に修繕が終わっているかどうかは大事です。修繕積立金が足りなければ、一時金を徴収される可能性もあります。修繕計画を念入りに確認してください。

 

【築16年~20年】(1999~1995)
供給が増えて居住性が上がった時代。価格は下げ止まり

1995年~1999年にできたマンションがこの時期にあたりますが、「1994年以降」というのが大きな区切り。ここから「大量供給時代」と言われるほど、多くのマンションが供給されました。供給が多く、しかも、都心・駅近・大規模・安くて広いなど、条件の良いマンションが多かったのです。立地や広さを重視する人にとっては有利ですね。

価格面でも、新築時の5割程度まで落ち、これ以降はあまり急激に価格が落ちない傾向にあります。資産価値の面で、価格下落リスクが低いと言えるでしょう。

大型マンションが増えた影響もあって、キッズルームや宅配ロッカー、オートロックなどの共用設備も充実していきます。物によりますが、ディスポーザーなどの設備を備えたマンションも登場している時期です。3LDKで70㎡以上の物件が増えるので、物理的に広さがありますが、工法面でも工夫されるようになりました。柱や梁が目立たなくなり、見た目としても広い印象に。

構造面では、物件によってはコンクリートの厚さが180㎜~200㎜のものも出てきています。物件によって違うので、個別に確認を。排水管が傷みやすいのもこの時期なので要チェックです。

 

【築21年~25年】バブル崩壊で地価下落。供給が少なく狭め住戸が多い

この時期は1991年~1993年までのバブル崩壊期間が含まれています。不動産価格が急落した時期です。1994年以降は安くて広い都心の物件が増えますが、この時期は販売不振であまり供給がありません。販売価格を下げるために、住戸の面積は狭い傾向にあります。

構造面では、コンクリートの厚さは150㎜程度が多いので、やや遮音性に劣ります。また、築20年前後も大型修繕の時期なので、やはり修繕計画のチェックが必要!

住宅ローンの控除の条件も知っておきましょう。中古マンションを購入して住宅ローン控除を利用するためには、「築25年以内」も条件の1つ。25年を超えるかどうかは1つのポイントになることを覚えておいてください。

 

【築26年~30年】新耐震基準になり、ある程度性能アップ。一部超高級マンションも

1981年に新耐震基準になったため、これ以降のマンションは震度6強~7程度の地震が起きても倒壊しないように作られています。給水管などの耐久性もアップ。ただ、遮音性や断熱性などが劣る場合がありますので、個別にチェックする必要があります。

バブル期で「高い、遠い、狭い」住戸が多かった一方で、都心で超高級マンションも登場しています。例えば、ヴィンテージマンションとして有名な広尾ガーデンヒルズも築30年前後。都心と郊外に2極化していたというわけです。

価格については築21年~30年は新築時の4割程度が平均ですが、管理費・修繕積立金が高額な場合もあるので注意しましょう。

いかがでしたか? 5年ごとに築年数別の特徴を見てきましたが、それぞれにメリット・デメリットがあります。単純に5年、10年後ごとに区切って探していると、素敵な物件との出会いを逃したり、希望の条件に合わなかったり、といったことが起きる可能性も。各年代の特徴を知っていれば、賢く物件を探すことができます。ぜひ中古マンション選びに役立ててください。

 

 

 

【参考】
山本久美子『買い上手こそ!中古マンション購入&リフォーム』(2009、小学館)
小菊豊久『‘13▶’14決定版 住まい買うとき売るとき』(2013、メディアファクトリー)
東京都主税局 http://www.tax.metro.tokyo.jp/shisan/fudosan.html#hu_5
(2015年4月27日アクセス)
三井住友トラスト不動産「不動産マーケット情報」
https://smtrc.jp/useful/knowledge/market/2012_07.html
(2015年4月27日アクセス)
ノムコム「中古マンション最新トレンド」
http://www.nomu.com/mansion/report/20131126.html
(2015年4月27日アクセス)
All About「新築VS築浅中古マンション、どちらがおトク?
http://allabout.co.jp/gm/gc/414793/2/
(2015年4月27日アクセス)

ヒトカラメディア
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