徳島県のサテライトオフィス「神山町・美波町・三好市」3地域の特徴

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光ファイバー網が張り巡らされる「ひかり王国・徳島県」。どこでもインターネットがつながることから、主にIT企業を誘致したサテライトオフィスを展開していることで注目を集めています。

地方にオフィスを構えて働くということは、そのエリアに「暮らす」と捉えても過言ではありません。そこで働く人のライフスタイルに深く関わってきます。例えば、海側の町なら出勤前に波乗りができるかもしれませんよね。山側なら仕事の合間に畑仕事ができるかもしれません。こういったスタイルはサテライトオフィスを開設する企業の「色」にもなるので、採用面にも大きく影響するところ。自分たちが求める働き方がどこの地域なら実現できるのか、この視点でも考えてみると良いかもしれません。
以下では、サテライトオフィスが特に賑わう「神山町」「美波町」と、最近じわじわと開設数が増えてきている「三好市」の特徴をそれぞれ紹介します。

 

斬新な切り口で話題を集める神山町

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人口は5831人、徳島県の東部にあり300〜1500m級の山々が、面積の83%も占めている緑の豊富な地域です。現在は12の企業がサテライトオフィスを開設しています(2015年11月時点) 。実はもともと海外の芸術家やアーティストを呼び込む「神山アーティスト・イン・レジデンス」によって国際交流が盛んに行われていた神山町。外国人の滞在先を探したり、民泊事業を早くから行っていた経験があったからこそ、いちはやくサテライトオフィス事業や神山塾といった他県の人を取り囲む施策ができたのでしょう。

神山町の特徴

1.NPO法人グリーンバレーが運用する事業
通常、移住促進事業は行政の管轄なのですが、神山町はNPO法人グリーンバレーが運用を任されています。これも国際交流の実績あってこそで、神山町ならではの特徴です。

2.逆指名制度
移住促進といっても、誰でも構わず移住してきてください!どんな企業でもウェルカムです!ではなく、今の神山町にはどんな人・企業が必要なのかを見定めて、逆指名のやり方を取っていることも特徴的。この背景には、急激な変化による地域や住民への弊害を懸念し、その変化へ対応できる住民のスピード感を大事にしていたことがあるようです。今でも200を超える移住志願者や企業と、神山町が提供できる空き家数のバランスを見ながら、神山町の未来を考え運営を行っています。

3.神山塾
グリーンバレーが展開している求職者支援制度で、自立につながるスキルやノウハウを身につけてもらうプログラムを提供しています。驚くのは、参加者の45%の人がそのまま神山町に残ること。サテライトオフィスによって企業があつまり、神山アーティスト・イン・レジデンスといったプロジェクトも動いている環境が、刺激的であり魅力があるのでしょうね。

4.神山バレー・サテライトオフィス・コンプレックス
元縫製工場を改修し作られたコワーキングスペース。地域発の先進的なサービスを生み出すことを目的とし、起業家やサテライトオフィス、移住者などのビジネスコミュニティの場となっています。プランはビジターやスタートアップ、カンパニーと種類があり、金額も異なります。

神山町のモデルを見ていると、仕事を持った人を誘致し発展の基盤を作ることがいかに大切なのかがわかります。スローライフを求める人だけでなく、何かに触発されることでさらに成長できる、そんな刺激を求めた人にマッチしそうな地域なのかもしれません。興味を持った人は、一度「week神山」を訪れてみてはいかがでしょう。「いつもの仕事を、ちがう場所で」がコンセプトで、長期滞在できる宿泊施設です。都心から離れた環境で本当に仕事ができるのか、どんな刺激があるのか、確かめてみるのも良いかと思います。

▼神山町にサテライトオフィスを開設した企業
井上広告事務所キネトスコープ社Sansan株式会社株式会社ソノリテ株式会社ダンクソフト株式会社テレコメディアドローイングアンドマニュアル株式会社株式会社プラットイーズブリッジデザイン株式会社えんがわ有限会社リビングワールド特許業務法人JAZY国際特許事務所

先人が築いた文化・歴史を大事にする美波町

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徳島県の南部にある美波町は約7700人の海沿いの町。2006年に日和佐町と由岐町が合併してできたまだ新しい町でもあります。ウミガメが産卵に訪れることでも有名で、町には産卵の様子を知らせるライトが設置されているのも面白いところ。神山町とは対象で、サーフィンやダイビングなどのマリンスポーツが盛んです。サーフィンしてから出勤という夢のような生活も、この美波町では実現可能なのです。

美波町の特徴

1.ウミガメオフィスプロジェクトin美波
明治時代から残る歴史ある建物や、使われていない老人ホーム、遊休施設をリノベーションし、交流スペースやオフィスにする古民家再生に力を入れています。昔ながらの美しい街並みを大切に残していくことが住民の思い出を残すことにも繋がるという、歴史と人のつながりを大切にしている町です。

2.循環型サテライトオフィス
移住促進のためには美波町に定住してもらわなければなりません。なので一般的に言われているサテライトオフィスは「定住型」がほとんど。それに比べて「循環型」とは、短期・長期でサテライトオフィスを利用できるものをいいます。ヒトカラメディアも美波町の循環型サテライトオフィス「戎邸」を利用しているのですが、時には違う場所で仕事をすることも良い刺激となることを体験しました。主に、企業の合宿や大事な会議の場として活用されるケースが多いかと思います。

3.美波町の補助制度
美波町では、定住に係る住居改修費用を補助してくれます。
《内容》
居住することを目的に、家を借りる、または購入して行う増改築工事に対して補助金を受けることができます。
金額:増改築費用の2/3以下とし、200万円が上限
条件:65歳未満であること。
5年以上の活用、居住すること
売買目的に建築された住宅、不動産業者などを介して取得した住宅は対象外
3等身以内の親族間での賃借は対象外

秋には日和佐八幡神社例祭と呼ばれる大々的な祭りがあります。一年の豊漁豊作を祝うこの祭りは明治初期から現在も続いており、歴史や文化を次世代に残そうとするこの働きかけが、世代を超えた交流に繋がっているように思います。徳島県は昔からお遍路さんを受け入れる文化があったのですが、美波町でもその文化が受け継がれ、とても馴染みやすい人たちばかり。普段の会話からも地元を愛する気持ちが伝わってきます。

▼美波町にサテライトオフィスを開設した企業
サイファー・テック株式会社株式会社鈴木商店株式会社 あわえ株式会社たからのやま株式会社 兵頭デザイン株式会社Studio23一級建築事務所マチデザイン長谷川明建築設計事務所株式会社 カワグチテイ建築計画ゼロ・クラフト株式会社/株式会社スパゲッティー/株式会社ヒトカラメディア

教育から地域を見直す三好市

取り扱い注意三好市 平尾様より借り写真DSC_7721(1)
最後に、これからの活躍が期待できる三好市について紹介します。
四国のほぼ真ん中に位置することから「四国のへそ」と呼ばれ、広大なエリアには29000人が暮らしています。

三好市の特徴

1.heso camp(住/職)、heso salon(食)、heso tourism(旅)の開設
・heso campは、企業のサテライトオフィス促進のためのワーキングスペースやゲストハウスとして活用してもらうための場、
・heso salonは、普段会わない人たちとの出会い、交流できるカフェ&バー、
・heso tourismは、地元のお祭りを通した体験型のツアー企画、
これらは「人の往来をつくる」を目的として作られた施設です。まずは実際に来て地域性を感じてもらうことが大切という考えのもと、企業は1〜2週間のお試し滞在が可能なのだとか。

2.地域継続のために「三好教育みらい塾」を設立
地域を持続させるためには、移住促進活動以外に、未来を担う子どもたちの存在も不可欠です。こうした考えから教員向けの教育塾を開設。子ども達に古里への愛着や誇りを持ってもらうために、また「子どもを育てるならば三好市で」と思ってもらうためには、どのような教育方針が良いのかを考えるために作られました。

3.三好市の補助制度
徳島県が定める補助制度とは別に、三好市からの補助を受けることができます。職種にもよりますが、県の補助と併用することができるのが嬉しいポイントです。条件も県が定めるものとほぼ同じであり「事務所の賃借費用」「事務機器賃借費用」「新規雇用費用」の面でサポートを受けることができます。
三好市は子どもの学校教育にも熱心で英語やタブレット教育も積極的に取り入れています。
徳島県では大きな面積を占める三好市ですが、サテライトオフィスの事業の始動を始めてまだ日は浅く、今後の動きに期待です。

▼三好市にサテライトオフィスを開設した企業
株式会社あしたのチーム風の株式会社株式会社ハレとケデザイン舎株式会社ベアーズ/ 株式会社クリップインターメディア

移住促進やサテライトオフィスといっても、取り組む内容や大事にしている文化は地域それぞれ。地方のやる気に満ちた様々な取り組みは、これからの地方展開は決してマイナスではなく、むしろ新しい取り組みとしてますます推奨されていくことが想像できます。サテライトオフィスの開設を検討している企業がどの地域を選ぶのか、それは働く社員の生活と、企業の今後の方向性にも大きく関わってくると思います。サテライトオフィスの基本知識と現地で感じた印象をもとに、開設する地域を決めるようにしましょう。

▶︎徳島県の補助制度はこちらをご確認ください

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株式会社ヒトカラメディアは『「都市」と「地方」の「働く」と「暮らす」をもっとオモシロくする』をミッションに、ベンチャー企業を対象としたオフィス移転、内装プランニング、働き方のコンサルティングを行う会社です。軽井沢と徳島県美波町で、サテライトオフィスを展開しています。